ここでは、これまでに電波に関連する概要説明をした中で分かりにくい内容をさらに詳しく、テーマを絞って説明します。多少難しい部分も含まれますが、これにより理解が深まり、さらに興味を持ってもらえるように願っております。
アンテナは、使用目的、特性に応じて様々な形状があります。その中で最も基本とされるのが下記のダイポールアンテナです。これは電波の波長のおおよそ半分の長さにするのが基本です(下図でλは、電波の波長を示します)。これによりその波長に対応する周波数の電波は、最も効率よく発射、又は受信が可能になります。逆に言いますと、周波数が中心から離れれば効率は次第に下がって行きます。
これらのことから一般的には、周波数が低いとアンテナは大きくなり、周波数が高いとアンテナは小さくなります。ただし、この後に説明するアンテナに関する特性項目(アンテナの指向性、ゲイン等)の特徴を出す場合は、必ずしもアンテナの大きさと周波数が反比例の関係にはなりません。例えば図の中のパラボラアンテナは、通常使用周波数が非常に高く例えば10GHz程度の場合波長は3cm程度になりますが、電波を一方向に大きく集約するために波長の10倍以上もの大きさにすることがあります。また本来波長が十メートルを超えるようなアンテナを、小型にするために電気的な細工を施し数メートルにしたりすることがあります。
これらのアンテナの用途としては、以下が挙げられます