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製品・技術情報

初歩の電波(無線と電波について)

  • 2010.03.02

第4章 さらなる理解へ

ここでは、これまでに電波に関連する概要説明をした中で分かりにくい内容をさらに詳しく、テーマを絞って説明します。多少難しい部分も含まれますが、これにより理解が深まり、さらに興味を持ってもらえるように願っております。

4-8) アンテナの指向性

アンテナの指向性(方向性を示す特性)を大きく分けると指向性アンテナと無指向性アンテナ(オムニアンテナと言うこともあります)になります。無指向性は、言葉に示す様に方向性がなく、どちらの方向にも同じレベルを示します。指向性アンテナは、アンテナの向きによってレベルが異なるアンテナです。その例を以下に示します。

上の図は、アンテナを上から見た図で水平に広がる方向性を示しています。指向性(1)のアンテナは、0度と180度方向に同じレベルの最高強度で、8の字のような特性で輻射(又は受信)しますが、アンテナの中で最も基本となるものでダイポールアンテナと呼ばれます。この場合に90度と270度の方向には、ほとんど輻射しません。
指向性(2)のアンテナは、一方向のみが強いアンテナですが、代表例はテレビ受信用に使用される八木アンテナがあります。これは、0度方向に最も強く、180度方向にはわずかの輻射か、又は低いレベルで受信されます。このアンテナをテレビの放送局に向ければ、正面からの電波以外は受けにくくなりますので、ビル等の反射によるテレビのゴースト映像を軽減することができます。

テレビ等の放送局は、無指向性のアンテナを使用すれば周囲に平等に電波を輻射出来ます。また受信には指向性(2)の様な八木アンテナを使用すれば必要な電波だけを受信することができます。また一対一の通信には、双方で指向性(2)のようなアンテナを使用すれば、送信電力を下げることが可能になりますので、効率的な通信が可能になります。
また指向性に関して上記は、水平方向のみを取り扱いましたが、実際には垂直方向に対する指向性も存在します。その意味で現実的には、水平方向と垂直方向の影響を受ける立体的な方向性を持ちます。ダイポールアンテナの場合には、アンテナ自体を中心の棒とすればそれを中心に穴のないドーナツの形をした特性になります。