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デュアルバンドワイヤレスネットワークの設計

容量およびカバレッジ両方の設計

ワイヤレスネットワークは、ITだけでなく、産業分野までそのニーズがますます高まっています。これまでは、必要とするカバレッジエリアのカバレッジを提供するだけでワイヤレスネットワークを設計することができました。現在、ネットワークへの要求に伴い、単にカバレッジだけでなく、ネットワーク容量を設計する必要があります。

2.4GHz帯と5GHz帯を正しく利用することで、次のことが可能になります:

  • 利用可能なワイヤレス帯域幅を2倍にする
  • 古い2.4GHzデバイスで802.11b/g/nの互換性を維持する
  • 新しい802.11a/n/ac互換デバイスのパフォーマンスを向上させる
2.4GHz帯と5GHz帯の比較
2.4 GHz5 GHz
802.11b/g/n802.11a/n/ac
広いカバレッジ範囲 (~90m以上)屋内の狭い範囲 (~27m)
ユニバーサルな互換性限定的な互換性(a/n/acデバイスのみ)
3つのオーバーラッピングしないチャネル24つのオーバーラッピングしないチャネル
WiFiとの輻輳WiFiとの輻輳が少ない
非WiFi干渉からの影響を受ける非WiFi干渉からの影響が非常に少ない

2.4 GHzには、オーバーラップしないチャネルが3つありますが5 GHzには24があります。5 GHzチャネルのすべてを使用するとは限りませんが、全体的にはより多くのスペースがあります。

チャネル容量

現在、多く人は、イーサネットケーブルに精通しています。ご承知のとおりイーサネットケーブルは、複数のツイストペア銅線から構成されています。これにより、双方向通信または全2重通信が可能になります。ケーブルの両端にあるネットワークデバイスは、同時に話すことができるので2車線の高速道路に例えられます。

一度に1つのデバイスのみの通信

WiFiは半2重による通信方式です。そのため、どのチャネルでも一度に1つのデバイスだけの通信に限られます。2つのデバイスが同時に通信することを試みると互いに干渉し合います。WiFiは、1車線の高速道路に似てトラフィックは一度に一方向にしか流れません。

Wi-Fiは半2重通信であるため、そのチャネルを使って送信できるのは一つのWi-Fiデバイスに限られます。そのチャネルを使うWi-Fiデバイスの数が増えれば増えるほど、それぞれのデバイスが通信する機会はどんどん少なくなってしまします。これを同一チャネル干渉と呼びます。

1つのチャネルで同時に通信できるのはたった一つのデバイスに限られるため各チャネルに割り振るデバイスの数を制限することが必要となります。そうすれば、輻輳が少なくなり同一チャネル干渉を減らすことができます。

デバイスは、新しいデバイスの種類(例えば、NデバイスはBデバイスよりも速い通信が可能)、アクセスポイントとの距離、RF環境のノイズに応じて異なるデータレートでデータを送信します。

当然ながら通信速度が遅いデバイスでは、同じ量のデータを送信するにも時間がかかります。クライアントのスピードを速め、時間を節約するためにデータレートを高速に保つためは、同一チャネル干渉も低減する必要があります。

同一チャネル干渉を低減させるための対応:

  • 1、2、5.5、または11 Mbpsのような低速データレートをディセーブル
  • より小さなカバレッジセルを構成することでチャネルを共有するデバイスが少なくなる
  • デバイスが常に迅速に通信することができる有効なカバレッジセルの構成
  • 2.4GHzと5GHzの両方のサポートを提供することで利用可能なスループットを事実上倍増させる
  • チャネルを変更する必要がないセルを維持する効果的なチャネルプランニングを実行する
チャネルプランニング
2.4 GHz

隣接チャネル干渉(クロスチャネルとも呼ばれる)を排除するためにチャネル1、6、11を使用しています(世界の一部では、1、5、9、13を使用している地域もあります)。

同一チャネル干渉を最小限に抑えるために、同じチャネルのアクセスポイントは可能な限り互いに離れて配置します。これにより、カバレッジエリアがより小さなセルに分割されます。各小規模のセルは少数のクライアントしかサポートせず、同じチャネルのセルは他のセルと変更する必要はありません。

同じチャネルを使うセルは、できるだけ離して配置

5 GHz

5GHz帯では、20MHzの帯域幅のチャネルが一部とオーバーラップすることはありません。これに加えてオーバーラッピングしないで使えるチャネルが24チャネルもあります。そのため同じチャネルを使うセルが隣り合うことはありません。

オーバーラッピングしない24チャネルから選べるので同じチャネルが隣り合うことがありません

デュアルバンドネットワーク設計チェックリスト
ActionResult
デュアルバンドAPの導入
  • ワイヤレス帯域幅の利用が倍増
  • b/g/nデバイスとの互換性
  • a/n/acデバイスによる優れたパフォーマンス
2.4 GHzでの1、6および11チャネルの使用隣接チャネル干渉の解消
2.4 GHzチャネルプランの実行同一チャネル干渉の解消
5 GHzチャネルプランの実行同一チャネル干渉の最小化
5 GHzのカバレッジに合わせて2.4 GHzの送信電力の低減調整2.4 GHzと5 GHzのカバレッジを同等にする
ツール

デュアルバンドワイヤレスネットワークの設計と保守には、優れたツールセットが必要です。幸いにも様々な種類のツールあります。

サイトサーベイ/仮想サイトプランニングツール

サイトサーベイツールを使用すると、建物のフロアプランをアップロードし、建物を歩き回ってサーベイを実行できます。その結果、カバレッジマップまたは"ヒートマップ"が表示され、ネットワークカバレッジとセルのオーバーラップを表示できます。サイトサーベイツールは、通常、インストール後のネットワーク検証に使用されます。

仮想サイトプランニングツール(通常は、サイトサーベイツールに組み込まれています)では、平面図に壁の種類を描き、仮想アクセスポイントを配置することができます。ツールは、建物内のおおよそのカバレッジを計算します。サイトプランニングツールは、ハードウェアの導入前のネットワークプランニングに使用されます。

あなたには電波が見えますか?

Ekahauのサイトサーべイソフトウェアは、IEEE802.11a/b/g/n/ac ワイヤレスLANネットワーク内への新規アクセスポイント設置、既存の無線LANネットワークの電波分布を調査するためのツールです。2.4GHz帯や5.2GHz帯は、光と同じように電波の反射があります。そして、壁やパーテーションなどの障害物がある場合は、そこで電波が弱まることで通信ができなくなる死角が生じてしまい、運用した時に初めて気付き、客先からクレームが付くことがあります。また、隣のオフィスにまで電波が届いていることに気づかず、貴重な社内データの盗聴が行われていることも考えられます。そういった問題に対し、従来のスペアナ(スペクトル・アナライザ)を使用したり、勘や経験に頼らなくても、サイトサーべイソフトウェアを使用することで誰でも簡単・スピーディーに、最適なアクセスポイントの設置を行うことができます。

スペクトラムアナライザ

スペクトラムアナライザは、生の無線周波数のアクティビティを可視化できる特殊なハードウェアです。干渉を引き起こす可能性のある非Wi-Fiデバイスを検出するために一般的に使用されていますがまた、スペクトラムアナライザは、チャネルの使用状況を見て、どのチャネルがビジーであるかを確認するためにも適しています。


Wi-Spy + Chanalyzerは、非WiFiデバイからの電波から生じる干渉を表示します

パケットアナライザ

パケットアナライザは、チャネル上のパケットをキャプチャし、誰が速く通信していたのか、誰が遅い通信をしていたのかを詳細に分析します。Eye P.Aのようなパケットアナライザでは、同一チャネル干渉を検出するために必要なすべての詳細が得られます。