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Moxa

革新的なノウハウを活用した先進的なECDIS(電子海図表示システム)技術

  • 2013.03.14

国際海事機構の(IMO)からの勧告より国際航海に従事する500トン以上の旅客船および3000トン以上のタンカー/貨物船は、段階的にECDISの搭載が義務化される中、いよいよ2013年が幕を開けました。世界中の商業船舶は、電子的チャートと情報を統合したECDIS(電子海図表示システム)への移行準備をし始めました。2012年は、新しく建造されるすべての船舶にECDIS航法システムを装備しなくてはならない最終期限であり、すべての既存の船舶は、ECDISシステムのブリッジへの統合を開始しなければならなくなりました。ECDISは、ブリッジのクルーがわずか40年前に想像も及ばなかった認識レベルを提供するもので船舶のナビゲーションの概念を完璧に変えました。そしてその過程において、あらゆる外洋航行船舶のブリッジは、革新的で複雑な技術的変化を経験するでしょう。また、各々の船舶は、技術的な専門知識のユニークな役目を果たすでしょう。

IMOは、ECDIS統合のためのカットオフ年として2018年をセットしました。従って、2013年を開始として世界中を通してECDIS統合のために改造作業がフル回転し始めています。ECDISは、従来よりも優れた特長を持つ"破壊的新技術"としての完全な一例です。そして、すべての船舶のナビゲーションシステムをそのような方法でシングルの完全に統合したディスプレイとコントロールステーションに纏めることで紙海図と視覚のナビゲーションツールは過去のものになります。現在のナビゲーションツールは、船舶のすべての電子能力を失ったときに頼れるものとしてパフォーマンスを落とし機能を制限する限定的な稼動を続行するフォールバックとして存在することになるでしょう。システムは革命的です。それには、世界中でブリッジオフィスサーの再教育とサーティフィケーションが必要となります。

SOLAS条約の改正(2009年5月)とECDISの搭載義務化

国際水路機関(IHO) → ENCの情報充実等に向けた取り組み

ECDISが統合するもの

この多くの船舶のECDISへの移行は、船舶のブリッジの決して小さくない完全なリワークタスクを必要とします。 電子海図およびナビゲーションシステムへの統合化のための変更過程において、これらの船舶は、警報、船舶の通信、および火災コントロールステーションだけでなく更にブリッジの残りの部分であるレーダ、操舵、ECDISとDGPSシステムのすべてが集中化したコントロールステーションに統合する必要があります。これはシングル処理するHubに多くの異種の通信インターフェースを統合することを意味します。更に、カラーキャリブレーションの厳しい要件が要求されることから製造後のECDISディスプレイは、ECDISブリッジステーションで使用するための承認を保持するために慎重に維持する必要があります。これらの技術的な要件のすべてが改修の設計と管理に関するタスクの困難なハードルとなっています。

完全な冗長性レーダシステム
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完全な冗長性DPGSシステム
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この移行を見越し、便宜性と柔軟性のベースをECDISコンポーネントに組み入れるために、できる限りMoxaのエンジニアはプロセスを単純化することを目的として熱心に取り組んできました。産業界において既に知られているNMEAインターフェースカードを次のステップのゲートウェイに取り入れるように推進し、そして完全に産業規格のコンピューティングHubに統合させました。更に、先進的な熱工学、IP66等級の耐久性と多様な多数のディジタルインターフェース機能を取り入れました。この努力から生れたコンピュータは、すべてのブリッジに適したディペンダビリティを飛躍的に向上させたプロセッシングセンタを形成しそれらの価値は、簡単に記述できません。

コンパクトでパワフル、耐久性、堅牢性、そしていかなる統合されたブリッジシステムの要となるために最初から設計され、いかなる理由でもデバイス、ネットワーキングまたは通信を提供する必要があります。
Moxaのマリンコンピュータは、疑う余地なくしっかりして信頼できる基礎を備えていながら、これらは、MoxaのECDIS設計において最も大きな前進を表現していません。その状況は、多分、ECDIS製造会社と同様にエンドユーザの両方に対して管理する上で最も厄介なハードルであるカラーキャリブレーション技術のために予約されています。

非常に精密なカラープロファイルを必要とするECDISディスプレイの電子海図と情報は、ECDISシステムが船舶から船舶への認識を容易に上回ることを保証します。また、時間、状態またはディスプレイの経年に関係なくディスプレイされる情報が明瞭で容易に認識可能であることを保証します。

ECDISディスプレイのキャリブレーションは、実際に非常に精密でありチップセットあるいはビデオサーバの交換でさえ悪化させる場合があります。この理由から殆どのECDISディスプレイは、現場でハンドキャリブレーションするか、あるいはビデオ処理コンピュータと共に販売され事前にユニットとしてキャリブレートされています。必然的にシステムインテグレータやエンドユーザにとってセントラルプロセッシングHubは、何らかの理由で変更する必要があるかまたはシステムがどんなラジカルなアップグレードを受けなければならないかこれは明白です。その後、高価または時間を費やす(あるいは両方とも)再キャリブレーションを行う必要があります。

しかしながらMoxaのエンジニアは、このプロセスを簡素化する方法を発見しました。今やユニバーサルRGBファイルを備えているMoxaのECDISタイプ認証ディスプレイのすべては、このファイルを国際水路オフィス(IHO)が承認したECDISのモニタにマニュアルキャリブレーションをスケジューリングなしでユーザが望むどのようなチップセットにもマッチさせることができます。それでは、Moxaのエンジニアは、これをいかに達成したかを簡単にお見せします。

ECDISカラーキャリブレーションを伴うアイディアを知るためにIHO 基準 S-52"ECDIS の海図内容および表示関係事項の定義文書S-52"をざっと見てみましょう。これは、IHOが要求する機器、キャリブレーションのセットアップおよびモニタのセットアップを定義しています。機器は、カラー発生器および測定用ソフトウェア、三刺激値測色計を含む光度計、そして勿論キャリブレーションするモニタが含まれ、"少なくとも85 cd/㎡のホワイトスクリーン(D-6500)能力"が必要です。この機器が設置されるとセットアップは次のようになります。

典型的なカラーキャリブレーションは、ソフトウェア、モニタ、光度計/色彩計および測定ハードウェアをセットアップします

しかし、機器が揃い設定された後であってもテスト環境の追加準備が必要となります。本質的にモニタのキャリブレーションは、標準のテストラボとして適するには絶対的に暗闇に近い状態で行われなければならないと、S-52文書に規定しています。

すべての測定には、暗闇の中で行われるべきでありまた、すべての迷光やソースの反射は、測定エリアから取り除く必要があります。測定には、モニタおよび測定装置を光吸収するアブソーバで囲むことが最良です。これは、モニタと色彩計の周りをマットブラックカードボールのトンネルを作ることにより形成することができます。オペレータの衣類は、測定エリアに光の反射がないことを注意しなければなりません。

最後にS-52文書は、モニタをキャリブレーションの測定にどのようにセットアップしなければならないかバーンインテスト工程のようにカラー温度を追跡する方法、およびコントロールをセットする方法を記述しています。("コントロールは、フルホワイト信号において要求する最高の出力レベルを達成するために調節されるべきです")。

新しいRGBファイルは、まず代表的なパネル上で生成しまた、同じ製造ラインからの他のディスプレイを最初からやい直すために使用します

勿論、販売前にユーザがこの手続きを実行することは、ユニバーサルモジュラリティを達成するためには特に、かなりの時間を費やすと共に、すべての主要なビデオチップセットを通して実行する必要があります。しかし、ユーザに努力を提供する利点は、莫大です。: このシングルタスク(または、最悪の場合、ケースバイケースで製造会社が調整)を要求された専門家が、典型的なECDISディスプレイをハンドキャリブレーションしなければならない場合、このユニバーサルのRGBファイルは、船舶の技術者がECDIS、操舵、レーダまたは他の目的のためのどちらかの役割のためにブリッジ上で遂行する必要のある各々のディスプレイを効果的にドロップイン交換することで、完全に最初のキャリブレーション工程をバイパスすることが可能となります。

更に、この方法の価値は、最初のインストレーションおよび設置段階にあるだけでなく年月と共にシフトし始めるモニタのカラープロファイルモニタにも継続します。ほぼ同じ年月を経過したディスプレイについては、再キャリブレーションをデバイスベースで行う必要がありません。その代わりに、許容できるパラメータを超えてシフトされたカラープロファイルを調整するためにディスプレイを再キャリブレーションした後、RGBファイルは、ディスプレイからダウンロードされ、そのシスターデバイスに再利用されます。繰り返しになりますがデバイスのモジュラリティは、時間、費用の節約の重要な鍵となりまた、キャリブレーション工程を使用することでディスプレイごとに半時間も費やし、大量のディスプレイのキャリブレーションの場合は、無視できない存在となります。

ディスプレイのための国際水路オフィス(IHO)のS-52カラーバリエーショントレーランスは
8ΔC単位またはそれ以下にのみキャリブレーションされています

パフォーマンスの大きな改善およびデバイスの
耐久性は4ΔC単位内への設計のディスプレイによって得られます

ECDISが数十年にわたるコンセンサスの頂点を代表する一方、顧客に重要な価値を提供する革新的で注意深い設計には明白に多くの余地があります。産業グレードの耐久性と設計、革新的なディスプレイ技術および統合したデバイスモジュラリゼーションの3つの切り口は、システムインテグレータおよび同様にエンドユーザの両方に膨大な節約を提供します。ユニバーサルカラーキャリブレーションファイルおよびNMEA統合を実行するための革新的な方法を用いうことでコンピュータHubおよびディスプレイの両方に必要なデバイスの相互運用性は、システムシステムコンポーネントの統合とメンテナンスの合理化と促進を著しく増大させます。同様に、カラーキャリブレーションおよびデバイスの耐久性に必要なより厳しい基準を強化することによってコンピュータHubおよびディスプレイの故障前までの全体的な平均時間を大幅に増大させます。これらのエンジニアリングの実行をECDIS製造会社およびインテグレータ(同様に船舶のオーナおよびオペレータ)に提供する価値は、確実で否定できません。