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Moxa

シリアル・ツー・イーサネットネットワークアーキテクチャの安定性と信頼性を確保する方法

  • 2014.05.28


RS-232C、RS-422およびRS-485規格をベースとするシリアル通信は、産業用オートメーションにおいてシンプルなバーコードリーダから洗練されたコンピュータ数値制御(CNC)マシンまで幅広い範囲のシリアルインターフェースデバイスの接続およびコマンドの発行に至り伝統的に使用されています。しかしながら、伝送距離、アクセシビリティ、一度に転送するデータ量、伝送速度の制限があるにしても、より大きな柔軟性のある需要をもたらしました。一方、イーサネットネットワークは、高速、安全、かつ柔軟性のあるネットワークを提供する能力を備えていることから1990年代初頭以来、産業市場でより顕著に使用されてきました。このイーサネットへの移行で、シリアルとイーサネットTCP/IP間のプロトコル転換の要件が登場し、シリアルデバイスサーバがこのギャップを埋めるために開発されました。シリアルデバイスサーバは、ユーザがレガシーのシリアル機器を保持することができる一方、イーサネットネットワークと直接インターフェースが可能です。

シリアルデバイスサーバについての解説
シリアル・ツー・イーサネット変換技術は、産業界においてシリアルデバイスサーバとして呼ばれるものでMoxaが1994年に最初に開発した技術です。それ以来、シリアルデバイスサーバの人気は、ビジネスおよび産業界においてイーサネットLANの普及と共に密接に結びつき現在、多くの会社が製造販売を行なっていますが世界的にはMoxaのデバイスサーバが市場を制覇しています。近年シリアルデバイスサーバは、通信と産業オートメーション市場において中心となる存在にまで発展しました。実際、イーサネットとシリアルとの結合は、当初、便利である技術程度の認識でしたがその後、急速に必要不可欠な存在となりました。このガイドを通してシリアル・ツー・イーサネット変換技術の基礎、概要、アプリケーションについて解説しています。
安定性と信頼性を確保する方法
ホストの信頼性

シリアル・ツー・イーサネットネットワークアーキテクチャにおいて、"ホスト"は、アーキテクチャを構成するシリアルデバイスの監視およびコントロールを行うコンピュータです。ホストは、イーサネット経由でシリアルデバイスサーバと通信します。また、シリアルデバイスサーバは、一般的にシリアルデバイスサーバに直接接続されているシリアルデバイスと通信します。ホスト(即ち、コンピュータ)が予期せぬハードウェアまたはソフトウェアの不具合によりクラッシュする可能性があるのでシステムの一部として複数台のバックアップホストを含めることでこの障害を取り除くことが可能です。

シンプルなアプローチとしてホストBと呼ぶバックアップホストコンピュータを使用します。ホストBのジョブは、ホストAと呼ぶプライマリホストコンピュータのためにデータをバックアップすることにより高い信頼性を提供することです。ホスト冗長性のためのこの伝統的なアプローチは、手動でホストBと同期するためにホストAを必要とします。ホストBは、限られたデータの冗長性のみ提供することができます。さらに、ホストBは、ホストAのデータを読むことも、ホストAの代わりにネットワークのコントオールをすることもできません。そして、ネットワークアーキテクチャがシステム全体にわたるクラッシュに脆弱性を残します。管理者は、手動でバックアップおよびホストコンピュータの同期を行わなければなりません。また、バックアップホストは、プライマリホスト(例えば、ネットワークのコントロール)としての同じタスクを実行することはできません。

ネットワークの信頼性

イーサネットネットワーク自体も故障する可能性があり、その結果、ネットワークの冗長性のいくつかの方法を実装することが不可欠となります。Moxaは、2つのネットワーク冗長性ソリューションを提供します。

1つのLANを使用したネットワークの冗長性

MoxaのTurbo Ring 冗長技術は、ネットワークの中断を防止し、適切なデバイスに信頼性の高いデータ伝送を保証するために使用することができます。Turbo Ring を使用することにより、リングトポロジの1つのセグメントがスイッチングループおよびブロードキャストストームを阻止するためにブロックされています。そして、異常がリングのオリジナルの通信ルートに沿って検出されると、ブロックされたセグメントは、イーサネットデバイスのすべての通信を継続すること可能にするリングを構成するために再接続します。MoxaのTurbo Ring は、ネットワークを 20ms未満でのリカバリすることができます。これは、STPの30秒のリカバリに比べてまた、例え、RSTPの2秒に比べても大幅に高速なリカバリを実現します。

MoxaのTurbo Ringは、20ms以下(250台のスイッチ、全負荷)の高速フォルトリカバリを可能にする、Moxa独自のセルフヒーリング(自己治療)技術です。Turbo Ringを搭載することにより若しネットワークのセグメントが切断されても、オートメーションシステムは、世界最速のTurbo Ringにより20ms以内に正常な状態に復帰することができます。

2つのLANを使用するネットワークの冗長性

Moxaのターミナルサーバは、ターミナルサーバのシリアルポートに接続されたシリアルデバイスとホストコンピュータ間の冗長LANをセットアップするために使用することができる冗長COM動作モードをサポートします。この冗長構成は、ホストコンピュータとターミナルサーバを接続する2つの独立したLANをセットアップするためにターミナルサーバの2つのLANポートを使用します。2 LANのいずれかに障害が発生した場合、他のLANは、パケットがターミナルサーバを通過することによりシリアルデバイスとホスト間でパケットを送信し続けます。実際に、ターミナルサーバの冗長COMモードの最大の利点の1つは、LANの2つがダウンしても他のLANが継続してオペレーションを継続することができるので、両方のLANが生きていることを意味し"スイッチングタイム"は、ゼロとなります。

デバイスの信頼性

シリアル・ツー・イーサネットネットワークアーキテクチャを構成するシリアルデバイスの信頼性を保証するために行うことができる2つの方法があります。1つは、バックアップのためのシリアルデバイスの追加また、2つ目は、データのオーバフローをコントロールします。

バックアップするフィールドデバイスの追加

時には、デバイス層の安定したオペレーションを保証するためにバックアップシリアルデバイスを導入する必要があります。MoxaのNPortデバイスサーバによりサポートされるCOMのグルーピング機能は、一般的にデバイス設定の修正および新しいバックアップデバイスを導入するために必要な時間をスキップすることができます。COMのグルーピング機能を使用すると既存の設定の維持およびバックアップデバイスを既存のネットワークに柔軟性をもって追加することができます。既に存在する2つのビルトインシリアルポート(例えば、インテリジェント電子デバイス)のネットワークデバイスのためにCOMグルーピングは、これらの2つのポートのCOMグループおよびNPortデバイスサーバ上の物理的なCOMポートにCOMグループからのリダイレクトデータを生成することが可能です。

データのオーバフローの回避

データを受信するシリアルデバイス上のデータバッファが送信されるデータパケットよりも小さい場合、従来のアプローチは、デバイス側に送信されるデータパケットのサイズを管理するためにソフトウェアフローコントロールを使用します。しかしながら、従来のソフトウェアフローコントロールを使用する場合は、すべてのデータがシリアルデバイスに到達する前に送信が中断されるとデータが失われる危険性があります。これは、ソフトウェアフローコントロールがデバイスのカーネルがビジーであるか否かに影響されるためです。直接的にフローコントロールを処理するためにNPortデバイスサーバのUARTをイネーブルにするオンチップフローコントロールは、従来のソフトウェアフローコントロールの制限を克服することができます。具体的には、オンチップフローコントロールが十分かつ効率的に時間のラグを可能にするために速やかに送信を停止するべくデバイスサーバにXoffコマンドを送信することができます。