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産業用イーサネットエクステンダを使用してシンプルにネットワークを長距離延長

  • 2016.07.19
産業用イーサネットエクステンダを使用してシンプルにネットワークを長距離延長

収集したデータから価値のある情報を共有してコントロールルームで集中管理するために、多くの企業が既存システムをIPベースのネットワークへアップグレードし、ビデオ監視のようなデバイスやアプリケーションをインターネットに接続しています。しかしIIoTの時代には、エンジニアにとってネットワークの導入とアップグレードの簡素化は容易ではありません。更に、システムのアップグレードには、通常、新規のケーブル敷設に掛かる莫大な投資が必要です。新しいケーブルに投資する代わりに産業用イーサネットエクステンダIEXシリーズを使用すると、既存あるいは安価な2線式カッパーケーブルを介して、様々なプロジェクトの要件、特に長距離通信の要件を満たすイーサネットネットワークを100メートル以上拡張できます。この記事では、イーサネットエクステンダを使いオペレーション効率を向上した4つのシナリオを説明します。

シナリオ1:運用の中断を最小限にする

例えば、運送業界のトラフィック管理者は、しばしばオペレーションコントロールセンタにデータを送信するトラフィックコントロールシステムをアップグレードしなければなりません。同時に、道路上の歩行者と自動車乗務員の両方を含む"道路利用者"に対して、道路工事や道路建設といった考えられる障害を最小限に抑える任務があります。多くの場合、システムのアップグレードは広い帯域幅を要件とするビデオ監視の統合と緊密に関係します。産業用イーサネットエクステンダは、既存のカッパーケーブルを使ったインフラストラクチャを介した長距離のポイント・ツー・ポイント伝送と、ネットワークの実装をスピードアップし容易にするplug-and-playの設定をサポートします。また、イーサネットエクステンダは、帯域幅を必要とするアプリケーションに適する高速データレート伝送をサポートします。

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シナリオ2:特殊なケーブルを使うアプリケーション環境に対応する

石油・天然ガスや鉱山といった危険な環境において、ネットワークに損傷を受けやすく、ケーブル延長工事の際のケーブル接続リスクが大きい光ファイバーケーブルを使用することは、理想的な選択肢とはいえません。通常、産業用の特殊ケーブルは過酷な環境で使用されています。しかし、特殊仕様のケーブルを使用するプロジェクトでは、産業用イーサネットエクステンダが、コントロールセンタと過酷な環境の現場との間のネットワークの構築や拡張を容易にします。ここでは素早い展開とデバイスをリモート監視・管理する機能が必要なのです。バイパス機能およびリモート管理をサポートする産業用イーサネットエクステンダは、ミッションクリティカルなアプリケーションにおいて大幅にシステムの信頼性を向上させます。例えば、オーストラリアの石油会社は、海底石油・ガスのコントロールアプリケーションをうまく構築するために産業用イーサネットエクステンダを使用しています。

シナリオ3:広い帯域幅のネットワークにアップグレードする

既に2線式カッパーケーブルのインフラストラクチャが有り、これを使ってより多くのデバイスやサブシステムを接続できるようにレガシーシステムをアップグレードしたいなら、産業用イーサネットエクステンダがその答えです。産業用イーサネットエクステンダは、既存のインフラストラクチャのシステムを簡単かつ迅速にアップグレードできます。例えば、香港の病院では、病院施設の高度な緊急ネットワークにこれを接続して、病棟におけるIPベースの緊急警報システムを構築しました。病院では、既にレガシーシステムの通信用に2線式カッパーケーブルを使用していましたので、新しい緊急警報システムの構築には産業用イーサネットエクステンダがぴったりでした。

シナリオ4:レガシーシステムをIPベースのネットワークにアップグレードしたいが予算に制約がある

IIoTは、レガシーシステムをインターネット経由ですべてを接続し管理できるIPベースのネットワークへ変更するビジネスを推進してきました。しかし、エンジニアは予算の制約にも対応しなければなりません。コスト削減には、産業用イーサネットエクステンダの使用が理想的な選択肢です。例えば、最近、道路管理者が交差点における交通信号システムを同じネットワーク上にCCTV監視システムを統合したIPベースのシステムにアップグレードしました。しかし、コストの制約と交差点間の距離が長いためイーサネットケーブルを敷設することは予算の関係から実用的ではありませんでした。そのためネットワークエンジニアは、既に敷設されている2線式カッパーケーブルの再利用と、産業用イーサネットエクステンダの導入により交差点間の1〜2kmに及ぶ距離を延長することにしました。