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プロジェクト展開を通してDNP3を使用するための課題の克服
DNP3 (Distributed Network Protocol=分散ネットワークプロトコル) は、電力会社が20 年以上にわたって使用してきましたが、最近では、上下水道、石油および天然ガスアプリケーションにおいても採用されるようになりました。DNP3 には 2つの大きな利点があります。1つ目は、DNP3は、未承諾応答をサポートする点で、DNP3フィールドデバイス (またはアウトステーション) は、特定のイベントが発生したときにアクティブにメッセージを送信することができます。2つ目は、DNP3は、タイムスタンプ機能をサポートするため、ポーリングの頻度に関係なくデータを追跡できる点です。これらの利点を備えているため、DNP3 は、遠隔測定システムのアプリケーションで非常に多く使用され、多くのフィールドデバイスおよび制御機器ですでに利用されています。
通信技術のネットワークインフラストラクチャは急速に変化しているため、新しいトレンドの出現に乗り遅れないためにネットワークにさまざまな改良が重ねられています。
プロジェクトの展開中に、システムインテグレータはいくつかの課題を克服する必要があります。まず、シリアルベースのDNP3とイーサネットベースのDNP3をブリッジ、またはDNP3プロトコルをModbusといった他のプロトコルにクロス変換するために複数の必要条件があります。第2にシリアル・イーサネットの試運転に組込コンピュータを使用する場合、エンジニアは、システムオートメーションとは対照的にプロトコル変換システムに多くの時間を費やす必要があり、これがエンジニアの主な仕事となってしまいます。最後に、これらの展開を行うエンジニアの大半は、通信問題を解決するために使用されるプロトコルに精通していません。そのため展開に通常時間がかかり、そのため運用コストが増大します。
以下に、MoxaによるDNP3に関連するプロトコル変換の処理方法を説明します。
ホワイトペーパー:DNP3通信アップグレード時の重要考慮事項
DNP3 (Distributed Network Protocol=分散ネットワークプロトコル) は、テレメトリ(遠隔測定)システム内の多くのフィールドデバイスや制御機器が使用しており、広く普及している通信プロトコルです。システムインテグレータは、DNP3関連プロトコル変換およびDNP3通信を行うためにシリアルデバイスサーバ、プロトコル変換器や組込みコンピュータの使用を考えますが、現在使用されている多くの種類のプロトコルに不慣れであるため、どのオプションが最もネットワークに適しているかについてわからず途方に暮れていることが多いはずです。このホワイトペーパーでは、シリアルベースのDNP3デバイスをイーサネットベースのネットワークにアップグレードする際のさまざまなオプションについて、また事前に検討する必要がある重要な問題のいくつかをさらに詳しく考察します。
詳細は「ホワイトペーパー」をダウンロードしてご覧ください。
すべてのニーズを1つのソリューションで実現
- モデルの選定
- ネットワークは非常に複雑で異なるプロトコルとインターフェースを利用する多くのデバイスが必要となります。
- デバイスの設定
- デバイスの設定と設置は非常に時間を費やすタスクです。
- ネットワーク運用
- トラブルシューティングは、時間がかかる割に結果が小さいため、このための時間は最小限にすべきです。
- オールインワン設計
- プロジェクトの設計時に、複数の組み合わせのプロトコル変換を行うことができるオールインワンのシングルモデルにて優れた柔軟性を提供
- 透過モード:
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- DNP3シリアルからイーサネットへ
- Modbusシリアルからイーサネットへ
- エージェントモード:
- ModbusからDNP3への変換のあらゆる組合せ
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- DNP3シリアルからイーサネットへ
- Modbusシリアルからイーサネットへ
- Click-and-Play
ウィザード
- わずか数分ですべてのセットアッププロセスを行うユーザフレンドリなWebコンソール。追加のソフトウェア、追加料金不要で、オフライン設定用のWebベースのユーティリティが含まれています。
- ユーザフレンドリなトラブルシューティングツール
- 内蔵診断ツールにより、運用段階で通信問題を容易に排除し、故障の根本的原因を特定することができます。
オールインワン設計
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MoxaのMGate 5109シリアル・ツー・イーサネットゲートウェイは、Modbus RTU/ASCII、Modbus TCPおよび DNP3シリアル/TCP/UDPプロトコルを含む複数の ModbusをDNP3に変換します。これらすべての変換を1つのモデル内で実行できるため、これらの変換を実行する複数のデバイスの購入、展開およびセットアップが不要となります。MGate 5109 は、透過モードを使用してプロトコルの変換またはフィールドデバイスと通信するエージェントなどさまざまな機能を実行することができます。
Click-and-Playウイザード
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プロトコル変換は、エンジニアがシステムの役割を理解すると共に異なるパラメータを正確に設定する必要があるため、簡単ではありません。MoxaのMGateゲートウェイは、ユーザフレンドリなWebコンソールを使用してセットアッププロセス全体を通して設定することができ、エラーを防ぐことができます。
DNP3 オブジェクトの自動検出
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MGate 5109 は、各バイナリ入力、バイナリ出力、カウンタ、アナログ入力、アナログ出力のインデックスポイントを自動検出することができます。ユーザは、製品のユーザマニュアルから数字を手動で入力する代わりに、「Auto Detection」(自動検出)をクリックするだけで、MGateが自動的に設定を入力します。
ユーザフレンドリなトラブルシューティングツール
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トラブルシューティングまたはマネージメントの目的でユーザは、まず、DNP3の通信ステータスを検出する診断機能を使用してシステムのステータスを監視することができます。また診断機能は、オン/オフ、アナログ測定値を含む各ポイントのステータスを検出することができます。
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さらに、MGate 5109は、Modbus RTU/ASCIIまたはDNP3にシリアルネットワーク上のゲートウェイを通過するデータを提供するプロトコルトラフィック監視ツールをサポートしています。単にデータをエコーするだけでなく、ソース、タイプ、伝送先、コンテンツなど、明確に指定されたフィールドにて、インテリジェントかつ分かりやすいフォーマットのデータを提示します。イベントは、さまざまな方法でフィルタすることができ、後で分析するために完全なログをファイルとして保存することができます。
推奨製品
- シリアルからイーサネットへの変換およびクロス変換のためのすべての種類のDNP3およびModbusプロトコル
- ■ MGate 5109イーサネットゲートウェイ
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- Modbus マスター/スレーブおよびDNP3 マスター/アウトステーションサポート
- メンテナンスに必要な完全な診断情報
- ModbusおよびDNP3 シリアルトラフィック監視の組込
- シリアルポートの2 kV内蔵アイソレーション保護
- 配線が容易な内蔵イーサネットカスケーディング
製品情報 (MGate 5109シリーズ)
関連製品
- 各種ハードウェアインターフェースを備えたコンピューティングプラットフォーム
- ■ UC-8100組込コンピュータ
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- ARM® Cortex™‐A8 1GHzプロセッサ
- デュアルオートセンシング10/100 Mbpsイーサネットポート
- -40~70℃ワイド温度範囲(LTE対応)
- MQTTおよびSSLを使ったセキュアなデータ伝送
製品情報 (UC-8100シリーズ)
Triangle MicroWorks が提供するDNP3ソースコードライブラリ
Triangle MicroWorksのANSI Cソースコードライブラリは、DNP3マスタまたはアウトステーションを実装するための迅速かつ費用対効果に優れた方法を提供します。また、.NETコンポーネントバージョンも利用可能です。そして、ロイヤリティフリーです!
詳細は、Triangle Micro Works ソースコードライブラリ をご覧ください。
概要
- DNP3 Level 4+サブセット定義要件に対応
- RS-232C/ RS485およびTCP/ IPを含むすべての物理的な通信ネットワークをサポート
- イベント駆動型または非イベント駆動型環境で使用可能
- バイナリ(入力および出力)、アナログ(入力、不感帯=デッドバンドおよび出力)、カウンタ(動作中および停止中)、タイムオブジェクト、オクテット列、仮想ターミナル、デバイス属性、データセットおよび内部表示をサポート
- 大容量データブロック(例えば、設定データまたはオシログラフデータ(COMTRADE)データ)を転送するためのファイル転送オブジェクトをサポート
- イベントオブジェクトを変更するための未承諾応答およびポーリングによるRBE(Report-By-Exception)のサポート
- 確認、読み出し、書き込み、選択、動作、ダイレクトオペレート、ダイレクトオペレートNoAck、フリーズ、フリーズNoACK、フリーズおよびクリア、フリーズおよびクリアNoACK、コールド/ウォームリスタート、Classの割当て、ファイル転送、未承諾応答の有効/無効、設定のアクティベート、現在時刻の記録および遅延測定のための機能コードのサポート
- スタート・ストップ範囲(0×00、0×01)、すべてのポイント(0x06)、制限された数量(0x07、0x08)、インデックス(0x17, 0x28)およびフリーフォーマット(0x5B)のための修飾子(qualifier)コードのサポート
- DNP3セキュア認証サポート
- 広範囲にわたるビルトイン(ただし、削除可能)診断は、視覚的にプロトコルメッセージを解読するために使用するプロトコルアナライザを含みます。診断およびアナライザストリングは、シリアルポートまたはRAMバッファを含む、すべてのターゲットシステムのディスプレイを対象とすることができます。
- 大きな応答メッセージは、複数のデータリンクフレームおよび複数のアプリケーション層のフラグメントから構成することができます。
- 障害のある通信回線の識別を支援するためにCRCエラー、無効な同期バイトおよび不正なフレームシーケンス番号といった通信プロトコルエラーの統計情報のサポート
- ユニット販売あたりのローヤリティ料無料
アウトステーションライブラリ機能
- データベースマネージャは、ランダムに組織化されたターゲットアプリケーションのデータポイント(バイナリ、コントロール、整数、浮動小数点など)をDNP3オブジェクトグループ内のシーケンシャルポイントにマップします。
- テスト、イラストレーション用、また最終データベースインターフェースの開発用テンプレートとしてサンプルデータベースインターフェース実装が提供されています。
- 例外データによるレポートは、ターゲットアプリケーションデータのコンフィギュラブル・スキャンにより自動的に生成することができます。
- 他のプロトコルを組み込むための仮想ターミナルオブジェクトをサポートします。
マスタライブラリ機能
- 無制限数の通信ポートにて無制限数のリモートデバイス数を構成することができます。また、実行時に新たなリモートデバイスを追加することができます。
- 複数のネットワーク通信トポロジをサポートするため、同一通信ポートに複数のデバイスを割り当てることができます。
- データベースマネージャは、受信したDNP3データオブジェクトをターゲットアプリケーションのデータポイント(バイナリ、コントロール、整数、浮動小数点など)にマップします。
ANSI Cソースコード
- 厳格なコーポレートコーディング規約の下においてANSI規格C言語ソースコードで書かれています。
- すべてのANSI規格Cコンパイラを使用してプロセッサおよびオペレーティングシステムに依存しない設計がされています。
- ビッグエンディアン(Big-endian)またはリトルエンディアン(Little-endian)のバイトから順番に記録/送信することができるシンプルなコンフィギュレーション。
- リアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)の使用または非使用が可能。
- データベースインターフェースは、ストレージがないダイレクトI/O入力から複雑なリレーショナルデータベースまですべてのデータベースをサポート。
- LinuxおよびWindows(インプリメンテーションのための設計の詳細を参照)のための低レベルターゲットインターフェース向けのサンプルアプリケーションおよびソースコードが含まれています。
- 製品の統合時間を3週間未満で実行可能
.NETコンポーネント
- 業界で実績のあるTriangle MicroWorksのソースコードライブラリ設計。
- すべての.NET言語 (C#, J#, Managed C++, VB .NETなど) とツールをサポート。
- .NET 2.0以降のFrameworkに対応。
- Visual Studioヘルプと統合。
- シングルユースまたはソースコードの再配布パッケージとして利用可能。
- ソースコードのバージョンは、対応するANSI規格CおよびC ++ソースコードライブラリを含みます。
- 保存/復元機能を持つシンプルな内蔵データベースを含み、またユーザ定義のデータベースをサポート。
- DNP3サポートが必要な製品とツールの迅速な開発に理想的。
- 大規模導入への拡張が可能。
- 1週間未満の製品統合時間。