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シリアルデバイスをIIoTに接続する際に把握しておくべき鍵となる3つの知識

  • 2020.07.16

多くのシリアルデバイスの潜在的可能性は、未だ未開発であり、全て活かされているわけではありません。Industrial Internet of Things(IIoT)の時代であっても、ネットワーク管理者がシリアルデバイスにより多くの価値を見出すことは今までのところ難しい状況でした。

これを行う1つの方法は、デバイスをインターネットに接続することにより、既存のプロセスの中からでも未開発ながら潜在的に貴重な情報を引き出すことです。多くのアプリケーションでは、既に合理化と操作の最適化に役立つ情報が共有されているため、シリアルデバイスをIPベースのネットワークに統合することによる利点が活かされています。

シリアルデバイスをインターネットに接続することには多くの利点がありますが、事前によくプランを練る必要があります。この記事では、複雑なシリアル・イーサネット・アプリケーションを実装する際に重要な3つの機能について説明します。

接続する

シリアルデバイスサーバ(シリアルツーイーサネットコンバーターとも呼ばれます)を使用して、レガシーシリアルデバイスをイーサネットベースのネットワークに接続することができます。
シリアルデバイスサーバには、一方のシリアルインターフェイスともう一方のイーサネットインターフェイスの2つのインターフェイスがあります。シリアルデバイスサーバは仮想COMポートの概念を使用して、レガシーシリアルデバイスからのデータをネットワーク経由で既存のSCADAシステムに送信できるようにします。さらに、シリアルデバイスサーバは、シリアルデータをTCPまたはUDPパケットに透過的にパッケージ化するrawソケットモードもサポートしています。ほとんどのSCADAシステムとOPCサーバは、イーサネットカプセル化ドライバをサポートしています。イーサネットカプセル化ドライバは、シリアルデバイスサーバと連携してプロプライエタリプロトコルを受信します。

以前と同じように手動でプロトコルを処理する必要がありますが、シリアルデバイスサーバは、ほとんど労力をかけずにイーサネットネットワークにデータを送信するのに役立ちます。 IoTクラウドアプリケーションをサポートするためにシリアルデバイスサーバを使用する場合は、
(1)複数のポーリング
(2)プロプライエタリプロトコル
(3)帯域幅
という3つの重要な点を考慮する必要があります。

1.複数のポーリング

SCADAシステムとリモートクラウドアプリケーションは、同じシリアルデバイスサーバにいくつかのコマンドを同時に送信することがあります。このためシリアルデバイスサーバは、すべてのクエリを処理するためにFIFOキューに対応している必要があります。
キューの最初のクエリは、最初にシリアルデバイスに送信されますが、残りはデバイスサーバ内のFIFOキューで待機をします。シリアルデバイスサーバがシリアルデバイスからの応答を受信すると、関連するSCADAシステムまたはクラウドアプリケーションに応答を送信しFIFOキューの次のクエリを処理します。
このようなCommand by Commandの処理は、多くのシリアルデバイスが独自のプロトコルに対応しているため、IoTにおける複数のポーリングアプリケーションで非常に重要です。この設計がなければ、複数のポーリングに対応するため更に別のIoTゲートウェイが必要となります。

2.独自のプロトコル

多くのシリアルデバイスは独自のプロトコルを使用するため、デバイスサーバはシリアルデータをイーサネットパケットへ正しく変換ができる必要があります。多くのシリアルデバイスサーバは、このようなタイプの変換を処理できるRawソケットとTCPサーバーモードに対応しています。しかし、問題はシリアルサーバがシリアルデータをTCPパケットに分割する際に最善の方法を知らない事にあります。
シリアルデバイスサーバは独自のシリアルデータフォーマットを理解していないため、シリアルデバイスからの1つの応答を2つ以上のTCPパケットに分解することがあります。パケットがSCADAシステムまたはクラウドアプリケーションによって展開される際、単一パケットによって提示されるシリアルデータが予想されるフォーマットに即していない場合、パケットは拒否されます。SCADAシステムまたはクラウドアプリケーションは、一般的に、単一のシリアルデバイスサーバの応答は単一TCPパケット内に格納されると想定しています。
これが適切に処理されるようにするためには、独自のプロトコルが異なるデータ形式を持つため、シリアルデバイスサーバは柔軟なデータパッキングオプションをサポートする必要があります。例を挙げると、固定データ長または特殊区切り文字を使用して、単一のシリアルデバイス応答を識別できます。この場合、シリアルデバイスサーバは、予期される量のデータまたは事前に設定された特殊区切り文字を受信してからイーサネットネットワークを介してデータを送信するまで、シリアルデバイスからデシリアルデバイスサーバーがデータパッキングオプションをサポートしていない場合は、TCPパケットを適切に処理するために複雑なSCADAソフトウェアアプリケーションを開発する必要があります。この種の専用ソフトウェアを開発することによって貴重な時間と費用を浪費し、またシステムにバグを引き起こす可能性があります。

3.帯域幅

シリアルデバイスのデータをコントロールルームまたはクラウドアプリケーションに送るために使用されるシリアルデバイスサーバは、シリアルデータを転送する前にリモート接続を開く必要があります。多数のシリアルデバイスが同じネットワークに接続されている場合、コントロールルームまたはクラウドアプリケーションには多くのリソースが必要です。これらの多数のリモート接続を適切に処理するために、シリアルデバイスサーバは柔軟な接続コントロールに対応する必要があります。
これを行う最善の方法は、シリアルデータをデバイスから受信したときにのみ接続を開くことです。送信完了の際、シリアルデバイスサーバは直ちに接続を終了する必要があります。柔軟な接続コントロールに対応できなければ、セントラルサイトまたはクラウドアプリケーション上で接続を処理するための余分な時間を費やすことになります。

結論

MoxaのNportシリアルデバイスサーバはユーザによる合理的なオペレーションをアシストしてシリアル・ツー・イーサネットコネクティビティの利点を最大限に活用するため、それぞれのオペレーションモードに様々な先進的な機能をサポートしています。

詳しくは、「ワイヤレス接続を実現する超越した接続性」ご覧ください。