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変電所のSCADAで従来IEDをより見やすくする

  • 2020.07.09

効率的なエネルギー使用の改善と高品質の電力供給の保証が電力業界での成功の大きな原動力であることから変電所のスイッチギアおよび変圧器を監視およびコントロールするintelligent electrical devices (IED)のリアルタイム監視が不可欠です。特に変電所では、すべてのIEDおよびサブシステムからデータを収集および統合し、デバイス監視のプラットフォームとして機能するパワフルで安全なコントロールシステムに自動化する動きが進んでいます。従って、SCADAシステムのパフォーマンスは、データを送受信する機能だけでなくネットワーク内のすべてのIEDおよびその他のネットワーク機器のステータスを正常に監視する能力にも依存します。

MMSの登場

単一の通信およびネットワーキングパラダイムを使用することでネットワークマネージメントが簡素化されるためIEC 61850準拠の変電所でIPネットワーキングにMMSプロトコルを採用することが増えてきました。産業用イーサネットスイッチおよび組込みコンピュータなどのITデバイスを使用してMMSを介して通信する変電所の機器は、その一例です。それらは、SCADAシステムによって監視およびコントロールします。

しかし、変電所のすべての機器の中でも特に従来のIEDがMMSをサポートしているわけではありません。従来デバイスまたはシリアルデバイスが多くの変電所の礎石であり、それらをリプレースするにはコストがかかりすぎることは一般的な知識です。そこでシリアルデバイスサーバは、これらの従来IEDをイーサネットベースのネットワークに統合できるため、過去10年間、変電所のシステム事業者に恩恵をもたらしてきました。その利点は、これらのIEDの寿命を大した額にはならない程度の金額で延長できることです。シリアルデバイスサーバは、シリアルデバイスとイーサネットネットワーク間のブリッジを実現しますが多くはMMSをサポートしていないため運用デバイスとネットワーク機器の2つの別々の監視システムをホストする必要があります。

困難なシナリオ

変電所の自動化システムには、2つの課題があります。最初の課題は、エンジニアがネットワーク機器とIED運用のための2つの別々のネットワークをオペレートすることを必要とします。SNMPは、ネットワークマネージメント(NMS)で最も一般的に使用されるプロトコルですが、SCADAシステムは、ModbusやMMSなどのプロトコルを使用して変電所の運用を監視します。これにより、設定コストと複雑さが増します。さらに、従来IEDをネットワークに接続する機器(例えば、シリアルデバイスサーバ)がSNMPをサポートしているかどうかに関係なく、限られた監視属性しか提供できません。つまり、ネットワークエラーが発生すると限られた情報のみが収集されます。

これは、ダウンタイムが発生した場合、あらゆる種類の問題を引き起こすためネットワーク情報(シリアルおよびイーサネットの両方)の不足を克服するという2番目の課題に繋がります。特に、ネットワークのトラブルシューティング問題が複雑なため長いシステムダウンタイムに繋がります。デバイスマネージメントネットワークの統合がなければ、変電所のエンジニアは、問題が発生したときに問題をピンポンとで迅速に特定することは困難でありトラブルシューティングのコストの上昇と通常の運用再開の取り組みが増加します。

目に見えないことから見えるものに

多くのシリアルデバイスサーバは、MMSをサポートしないためIEC 61850準拠のシステムに容易に統合ができずネットワークのシリアル側を目に見えるソリューションが求められます。しかし、シリアルデバイスの可視性を実現することによりトラブルシューティングがより簡単かつ迅速になります。理想的には、IEC 61850 MMS をサポートするシリアルデバイスサーバによりパワーSCADAシステムがネットワークのシリアル側の監視およびコントロールができるようになります。ネットワーク内のすべてのシリアルデバイスのステータスを把握することでエンジニアは、ネットワーク内の問題の場所を迅速に特定できます。

Moxaのソリューション

MoxaのNPort S9000シリーズは、IEC 61850 MMSをサポートする最初のシリアルデバイスサーバであるため、パワーSCADAシステムがデバイスサーバを監視および管理することを可能にします。従って、変電所の自動化のための優れたオプションを提供することができます。