1. ホーム
  2. 製品・技術情報
  3. デバイスサーバとは?(シリアル - イーサネット・ガイド)

製品・技術情報

デバイスサーバとは?(シリアル - イーサネット・ガイド)

  • 2010.02.16

第3章 ケーススタディ

この章では、5つの分野に分けて実例を示しシリアルデバイスサーバ技術のインプリメンテーションを図解します。勿論、この他にも例は沢山あるでしょう。参考になるアプリケーションが出てこないかも知れませんが例えご希望のニーズに当てはめられない場合でもこの章を通して読んで頂ければ例題を通してお分かりになると思います。

キャンパス入出退制御システム

工科大学および大学は、シリアルデバイスサーバの設置に適した環境を備えています。これは、構内に既に設置されている広域のイーサネットにデバイスを接続できることを示すものです。事実構内は、寄宿舎、図書館および事務所などが混在して構成されておりそれらの全てに学生および教授がネットワークにアクセスする必要があります。構内の殆どの区域はもとより制限された区域に対してもアクセス制御が必要になり時間周期のセキュリティを提供できねばなりません。もう一つのアプリケーションは、構内各所のコンピュータルームにおかれたコンピュータの集中制御を設定することです。コンピュータは、いろいろな種類の研究室の装置へのネットワークを通じた接続性および校舎冷暖房、空調システムの職員によるリモート管理能力を維持しています。

構内環境でデバイスサーバの技術を使う利点は、構内にあるシリアルデバイスを集中的に管理および制御し更に、正確な記録の保持および教授と学生の安全性を改良することです。

実際例として正確な出席と施設利用の記録を整備する業務を考えてみましょう。この例では、各クラスルーム、研究室、学生寮の入出退および図書館は、シリアルデバイスサーバを通して構内ネットワークに接続されているカードリーダを設置しています。このような特定のアプリケーションは、TCPクライアント運用モードとして設定されカードリーダがネットワーク化されたホストに接続されています。磁気ストライプの学生証IDカードは、長年使われてきましたので学生は、既にこのような習慣には慣れています。

クラスルームおよび施設への学生の入出退は、彼らのIDカードがカードリーダに挿入された時に自動的に記録されます。学生がいろいろな構内の施設を利用する場合と同じようにクラスルームの出席に関しても価値ある情報を指導員および総務の職員に提供します。

医療機器のデータ収集

今日の病院、クリニックおよび薬局は、電子的監視装置で溢れておりその殆どがPCのCOMポート経由で接続できモニタできます。第一の例としては、妊娠中の母親の陣痛および胎児の心拍をモニタしている産科病棟が挙げられます。赤ん坊を出産する時間がきた時にナースが余裕を持って対処できるように同じPCに2台のモニタを接続し1台をナースステーションに置き心拍数をリアルタイムに観測できるようにしています。問題は、幾人かの患者を同時に処理する方法です。無論一つの可能性として患者一人一人に対して別々なコンピュータを使用することですがこれでは資源の有効活用にはなりません。もっと合理的な方法としてまた、コスト効果の高いソリューションは、病院に設置してあるイーサネットLANを利用することであり現場の各モニタをシリアルデバイスサーバへ接続しナースステーションの1台のPCから各現場にアクセスすることにより全ての患者からのデータを同じコンピュータにより簡単に処理することができます。

もう一つは、近代的な医療施設の例です。このような設備は、限られたスタッフしか使えませんが莫大な数の人々に対しそれぞれ固有の検査を行う業務を持っています。この場合、各スタッフ、医者、ナースまたは医療技術者のうちの誰かが1台のステーションを操作し各ステーションは、PCまたはデータを記録できるある種のテスト装置で構成されます。内臓の血液分析器のようなテスト装置は、シリアルデバイスサーバに接続されこれは施設のイーサネットに接続されます。患者の血液分析の結果は、優秀な医者が判断できるようにデータを記録する中央のコンピュータへイーサネットLANを通して送られます。

リモート環境監視システム

最近起きている重要な問題として厳しい環境から影響を受け易いコンピュータおよびその他の電子装置のリモート監視があります。これには、数百台または数千台のコンピュータを管理するリモート・データセンタおよびサーバ・ファームのような大規模なシステムもあれば小規模のサーバおよびルータで構成するコンピュータルームを持つ企業も含まれています。状況はどうあれこの種の精密装置は、温度と湿度を制限内に保てる場所に置かなければなりません。管理者が直面する問題は、このような環境をリモートでどのように監視するかであり欠陥のある空調装置を必要のある都度、修理できまた、侵入者が制限区域内に入る時にセキュリティ・システムが注意を喚起できることです。

具体的な例として上図に示したようなリモートマシンルームを考えてみましょう。この種の操作に関する一般的な環境監視システムは、セキュリティ用のカメラおよび温度、湿度をチェックするセンサから構成されています。シリアルデバイスサーバは、環境監視システムを設定するための簡単で経済的なソリューションを管理者に提供しこれらのデバイスに直接インターネットアクセスできるようになります。シリアルデバイスサーバは、LAN - LAN接続を行うためにドライバモードに設定されます。インターネットに接続されているどのコンピュータからもリアルタイムでセキュリティカメラからの画像を監視できセンタからのデータをチェックできます。

ドライバモードで構成されたシリアルデバイスサーバは、この種の監視システムを直接的に設定でき管理できる方法を管理者に提供します。この場合、シリアルデバイスは、カメラとセンサで構成されそれぞれユーザーがコンピュータのシリアルポート経由でデバイスにアクセスし管理できるように製造者の提供するドライバを使うことができます。

ドライバモードで行うことは、シリアルデバイスをシリアルデバイスサーバへ接続しシリアルデバイスサーバをイーサネットへ接続することによりネットワークに接続しているどのコンピュータからも管理者がシリアルデバイスにアクセスでき管理できるようにすることです。シリアルデバイスまたはホストコンピュータからアクセスする方法の変更は一切必要ありません。

電力分配管理システム

現代の電力とエネルギー業界の重要な問題点は、最大電力使用に帰着する送電網の管理と制御です。電力が適切な区域に送電されていることを確証するためにRTU (Remote Terminal Unit)は、電力送電を監視し制御するために使用される最も重要な装置の1つです。過去においては、RTUとの通信はRS-485マルチドロップ・ネットワークを使って行っていましたが現在の傾向は、TCP/IPイーサネットネットワークの採用に向かっています。この種のRTUシステムは、技術者が2つの重要なタスクを実行できるようにします。その1つは、潜在的なパワードレインのリモートによる検出です。電力会社は、一般的に数千マイルとはいかなくても数百マイルの電力線の管理責任があります。パワードレインをすばやく検出する能力が電力発生と利用のバランスを効率良くすることによってエネルギーの節約利用が容易にできます。RTUネットワーク管理システムで扱うもう1つは、システム管理のハードウェアおよびソフトウェアで構成される運用操作サイトの冗長性を持った保守整備です。これは、UDPサーバ/クライアント機能でシリアルデバイスサーバを使って実行します。複数の宛先データ伝送の能力のお陰でこの種の設定は、RTU冗長制御システムを自然に形成します。