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技術情報

Moxa

産業用マネージドSHDSLイーサネットエクステンダ

  • 2013.02.06
光ファイバケーブルを使わず音声グレードのカッパーケーブルを介して、イーサネットの長距離延長および高速データ通信が実現可能

IEX-402-SHDSL

ITS、鉄道沿線、ファクトリオートメーションなどのアプリケーションに最適

一般的に100m以上の長距離延長を必要とするイーサネット伝送には、光ファイバケーブルが使用されます。しかし、新たなシステムとして比較的低い帯域幅要件を使用するリモートアプリケーションに光ファイバケーブルを使うことは、ケーブルの敷設のために地下を掘り下げ配管するような大掛かりな工事が必要となり、費用的に採算が取れません。今回ご紹介するMoxaの新製品DSLイーサネットは、導入時間の削減、メンテナンスの単純化、扱いやすさを強化するなど多くの利点を備えています。

イーサネットの制限距離100mを超えたポイント・ツー・ポイント伝送を延長するには一般的に光ファイバケーブルが使用されています。しかし、新しくファイバインフラを構築するとなると既存のカッパーケーブル配線リソースを活用するよりも、はるかに時間がかかります。また、費用分析からみて採算が取れない問題が発生します。米国運輸省2009 entry によるとシングルモード光ファイバケーブル(96ファイバ)を1マイル(1.6 km)取り付けるには、USD 11,880以上の費用がかかるといわれています。これに対し、Moxaは費用対効果に優れた代替であるDSLイーサネットエクステンダを提供します。地理的に離れたLAN間を既存の音声グレードのカッパーケーブルを介して長距離および高速データ通信を実現またはLANデバイスの非常に費用対効果に優れたイーサネットのブリッジ接続を提供します。 一般的にエントリーレベルのDSLイーサネットエクステンダは、"plug-and-play"インストールが約束されています。しかし、エンジニアおよびインテグレータは、展開、管理、およびメンテナンスの際にデバイスの様々な制限問題に遭遇することがあります。MoxaのマネージドDSLイーサネットエクステンダは、効果的に展開時間の短縮、シンプルなメンテナンス、および管理性を向上させる業界最先端の機能を提供します。

インストレーションを容易に実現できるゼロ・コンフィギュレーション

ペアで作業する従来のイーサネットエクステンダは、CO(セントラルオフィス)デバイスおよびCPE(カストマ宅内機器)デバイスを図1のように指定する必要があります。両端が(CO-COまたはCPE-CPE)のような相似したデバイスタイプは、エクステンダとして通信機能を実行することができません。多くのエントリーレベルの産業用DSLイーサネットエクステンダは、"plug-and-play"インストレーションを唱っていますがWebブラウザやデバイスのDIPスイッチ設定などを駆使して1つのデバイスをCOとして他のデバイスをCPEとして指定するために手動で構成する必要があります。

MoxaのマネージドDSLイーサネットエクステンダは、導入する際にゼロ・コンフィギュレーションによるオートCO/ CPEネゴシエーション(図2参照)を提供することができます。両方のデバイスが同じデバイスタイプ(デフォルトではCO-CO)に設定するディップスイッチを使用している場合、オートCO/CPEネゴシエーションにより自動的に1つをCOおよび他をCPEに指定するためにトリガされます。この機能は、作業者の設定エラーの可能性を無くし、展開時間を短縮します。

管理を容易にする仮想パネルとNMS監視

マネージドDSLイーサネットエクステンダは、Webベースブラウザを使いリモートアクセスを介してアクセス可能です。仮想パネル(図3参照)は、一目でわかるデバイスステータス情報を提供し、SNMPプロトコルサポートによるトータルネットワーク管理のためにMoxaのMXview産業用ネットワーク管理ソフトウェアでDSLエクステンダを管理することができます

トラブルシューティングをシンプル化するリンク品質LED

マニュアルによる伝送スピード設定、距離、環境のノイズを含む多くの要因がイーサネットエクステンダの伝送データレートに影響を与えます。MoxaのマネージドDSLエクステンダは、エンジニアおよびインテグレータが簡単に接続障害のトラブルシューティングを実行できるためにフロントパネル(図4参照)上にDSLポートリンク品質(スピード/SNR)を表示します。貧弱なリンク品質は、マニュアルで低い伝送スピード設定を見直すか、環境のノイズレベルを調査する必要性を暗示します。更に、伝送距離が増加するにつれてデータ伝送スピードは減少するという伝送距離とデータ伝送スピード間の逆の関係が存在します。

迅速な障害回復のために必要なリンクフォルトパススルー(LFP)

MoxaのDSLエクステンダは、データ損失を防止するためにダウンストリームおよびアップストリーム(またはCOおよびCPE)イーサネット接続を抑制することによってリンクダウンステータスを強制するLFP(リンクフォルトパススルー)機能を提供します。"STATE" LED(図5参照)は、ネットワークオペレータが素早くその場所を特定し、迅速にリンク障害から回復できるようにリンク障害が発生した場所を表示します。LFP機能は、Turbo Ring/Turbo Chain冗長性をネットワークで使う場合、20ミリ秒未満でイーサネットポート接続の冗長リカバリをトリガすることができます。また、DSLポート接続の障害がある場合は、4秒未満で回復します。

導入コストおよび総保有コスト(TCO)の低減

DSLエクステンダのワイド温度耐性(-40~75℃)は、ITS(高度道路交通システム)、鉄道沿線のコントロールと監視、およびファクトリオートメーションといった産業用アプリケーションのために特別に設計されています。図6に示すような比較的低いデータレート要件で使用する道路交通アプリケーションの場合、イーサネットエクステンダを使用すると実質的に導入コストとTCO(総所有コスト)を大幅に削減できます。

カッパーケーブル配線が位置間に存在し、光ファイバと各交差点間の距離が1.6Km(1マイル)とすると光ファイバ敷設と比較した場合、USD1000/イーサネットエクステンダインストレーションをベースとするとMoxaのDSLイーサネットエクステンダは、このITSアプリケーションでは、導入コストを合計USD29,640節約することができます。

完璧なDSLエクステンダソリューション

MoxaのマネージドDSLイーサネットエクステンダは、音声グレードのカッパーケーブル、SHDLおよびVDSL2を介したポイント・ツー・ポイント伝送の延長、展開距離と帯域幅要件をベースとした異なるアプリケーションのための2つの技術を提供します。IEX-402-SHDSLシリーズは、データレート最大15.3 Mbps、伝送距離最大8 Kmを提供します。一方、IEX-402-VDSL2シリーズは、(詳細は、お問い合わせください)HDビデオ送信および最大伝送距離3 km以内といった高帯域幅要件を満たし250m以内で100Mbps(双方向)の能力を備えています。両モデルは、容易なインストレーションに必要なゼロ・コンフィギュレーション、容易に管理ができる仮想パネルおよび迅速な障害回復のためのNMS監視を提供します。