MoxaのDA-820 quad-core i7ハイパフォーマンスラックマウントコンピュータは、シングルリンク/ノードの障害を回避するために効率的かつ視覚的にPRP/HSRネットワークマネージメントの表示を可能にするバンプレスの冗長性を提供する世界初のネイティブPRP/HSRマネージメントサーバです。
ビルトインPRP/HSRマネージメントミドルウェアは、異なる通信プロトコルで動作する変電所の様々なデバイス(例えば、IED、組込コンピュータ、イーサネットスイッチ)と接続するためにSNMPおよびMMSインターフェースをサポートする必要があります。ミドルウェアとPower SCADAの統合は、すべてのデータがMMSプロトコルを通して変電所のPower SCADAシステムに使われて、読まれることをより容易にします。変電所オペレータは、Power SCADAのビジュアルツールを経由してこれらのPRP/HSRシステム内のすべてのデバイスを容易に管理するために見つけることができます。さらに、単一個所が働かないとシステム全体が障害となる単一障害点は、Power SCADAダイアグラム上に表示することができるのでSASまたは他のPRP/HSRアプリケーションは、高い信頼性と安定性を実現するのでトラブルシューティングを容易にします。
DA-820のメインオペレーティングシステムは、標準X86、VGA×2、USB、2ギガビットLANポートおよび 2 RS-232C/422/485・3-in-1シリアルポートをサポートするlntel Quad core i7-3612QE CPUとQM77 チップセット上で動作します。 DA-820は、4 SATAディスクインターフェースの装備およびデフォルトとしてRAID0/1/5/10機能性をサポートしています。また、DA-820は、正確な時刻同期とIEC 61850-3規格のコンプライアンスを必要とする変電所アプリケーション用に設計されています。DA-820のフレキシブルな設計は、ローカルSCADA環境の監視、ビデオ監視、プロトコル変換、およびPRP/HSR冗長アプリケーションに適しています。また、DA-820のサイバーセキュリティ機能は、安全なネットワーク通信を可能にする理想的なソリューションを提供します。DA-820の多機能性およびハイパフォーマンスは、多機能なタスクを実現するために最適です。
多機能のハイパフォーマンスDA-820コンピュータは、多機能のタスクに適しています。変電所においては、これはリモートコントロールおよび監視、フロントエンド通信、バックエンドホスティング、テレ・コントオール、ビデオ監視を取り扱うことを意味します。DA-820は、同時に複数のタスクをサポートするその能力を確認するためにVMware ESXiを用いて試験しました。異なるオペレーティングシステムと異なるアプリケーション間のサポートおよび切り替えのためにハイパフォーマンス、フル機能のDA-820コンピュータにVMwareをシンプルにインストールしました。
変電所オートメーション・ネットワーク(SAN)を動作させる場合、異なるプロトコルを用いてデバイスやシステムのネットワークマネージメントインターフェースを構築することは、変電所オートメーションネットワークの効率性やセキュリティを危険に晒し得るリスクや、管理上の問題を生み出す可能性を秘めています。
幸いなことに管理系ミドルウェアに特化して設計されたPower SCADAを使った高効率で視覚化されたPRP/HSRネットワークなら、利用可能な便利で実用的なソリューションにより、これらの問題を効率的に避けることができます。
PRP/HSRプロトコルの統一規格があるにもかかわらずネットワークマネージメントインターフェースには規格がありません。 しかし、ビルトイン管理ミドルウェアを搭載したネィティブPRP/HSR管理サーバを使用することで、収集、分析、および1つの管理プラットフォーム上の様々なデバイスからすべての生データを統合することができます。これにより、ネットワーク診断、トラブルシューティングおよびデバイスの状態監視をこれまで以上に容易に実行できます。
従来の変電所オートメーションシステム(SAS)の構造は、端末間のハードワイヤードネットワークで構成されています。この構造は、全ての接続をリアルタイムで確立し、レスポンスも速い。しかし、ネットワーク通信システムがイーサネットベースのネットワークへと進化してからは、全てのデバイスはスイッチやルータといったイーサネット機器に接続されています。この結果として、ネットワークトポロジーの変更や通信の輻輳、パケットキューの優先順位付けに起因するネットワーク通信のレーテンシーが生じます。そして、ミッションクリティカルまたは時間に敏感なアプリケーションにとっては、例えミリ秒のネットワークの遮断すら許容することができません。止まれば、システムの動作に重大な影響を与え、現場作業員の安全を危険にさらしかねません。IEC 62439規格では、緊急シャットダウンや代替システムに切り替わるまでのリカバリタイムは、10ミリ秒未満にすべきとしています。IEC 61850第2版においても、変電所オートメーションシステムにおけるGOOSE並びにSMVの通信冗長タイムは、パンブレスが要求されると明記されています。
通信パートナー | 規格 | 要求される通信リカバリタイム |
---|---|---|
SCADAからIED、クライアントサーバ | IEC 61850-8-1 | 400 ms |
IEDからIEDインターロッキング | IEC 61850-8-1 | 4 ms |
IEDからIED、リバースブロッキング | IEC 61850-8-1 | 4 ms |
保護トリップ(除バスバー) | IEC 61850-8-1 | 4 ms |
バスバー保護(GOOSE) | IEC 61850-9-2(ステーションバス) | バンプレス |
サンプル測定値 (SMV) | IEC 61850-9-2(プロセスバス) | バンプレス |
IEC 62439-3では、パラレル冗長プロトコル(PRP)および高可用性シームレス冗長性(HSR)プロトコルは、単一障害をシームレスで迂回することを可能にする2つの技術であると記述されています。PRPは、並走稼働する2つの独立したネットワークの重複パケットによって、ネットワークの冗長をアーカイブします。一方で、HSRはリングトポロジーに特化した設計となっています。これら2つのシームレスな冗長プロトコルによりRedbox(冗長ボックス)は、HSRもしくはPRPネットワークに接続された非HSR/非PRPデバイスを切り替え時間ゼロで素早く起動できます。SAS通信におけるミッションクリティカルなアプリケーションは、ネットワークの信頼性を保証するために、これらの冗長化技術からの恩恵を受けることができます。
それ故に、MMSデバイスは、Power SCADAに正常に表示されますが、SNMPまたはSupervision Frameネットワーキングではそれができません。その結果、コントロールデバイスとネットワークデバイスを一元的に管理すること は困難となります。
デバイスからの生データを収集および分析するためにPower SCADAを収集する電力SCADAを有効にすることができます。PRP/HSR管理ミドルウェアは、SNMPおよびMMSインターフェースの両方をサポートするために設計されています。現在の冗長ネットワークのステータスは、完全に監視することができまた、単一点障害は、直ちに発見することができます。これは、リアルタイムのトラブルシューティングを非常にシンプルにします。
PRP/HSR技術に関し僅かな知識があるシステム管理者は、シングルPower SCADAプラットフォーム上で管理、監視およびPRP/HSRネットワークのトラブルシューティングを行うことができます。 変電所オペレータは、Power SCADAのシンプルで明確かつ効果的なビジュアルツールを使用してPRP/HSRシステム上のすべてのデバイスを管理するために容易に見つけられます。さらに、単一障害ポイントとしてPower SCADA上に簡単に表示することができるのでトラブルシューティングが容易になりSASまたは他のPRP/HSRアプリケーションをより信頼の高く、安定させます。このソリューションは、ネットワーク診断、トラブルシューティングおよび信頼性の高い効率的かつ容易なデバイスの状態監視を実現します。