1. ホーム
  2. 技術情報
  3. Moxa
  4. 電力監視:大規模マルチデバイスネットワークにおけるハイパフォーマンスの維持

技術情報

Moxa

電力監視:大規模マルチデバイスネットワークにおけるハイパフォーマンスの維持

  • 2015.12.16

競争がますます増加し続ける電力エネルギー市場においてエネルギーの使用量およびコスト削減は重要な課題です。国際エネルギー機関(IEA)によると建物、産業プロセスおよび交通輸送システムのエネルギー効率を改善することで世界のエネルギー需要は、2050年に3分の1にまで削減することができるといわれています。高機能な電力消費監視システムにかかるコストは実現可能な省エネコストよりも非常に低いため、近年ますます多くの企業がエネルギー効率に投資を行っています。過去のMoxa技術情報において、HVAC(冷暖房空調設備)システムやデータセンターの電力消費量の増加について触れています。そして、プロトコル変換ソリューションを活用して、エネルギーの使用状況の監視を行うことや、継続解析のためにコントロールセンターにすべてのデータを送信する方法についてみてきました。本記事ではリモート監視の実装だけでなく、パフォーマンスを犠牲にすることなく複数のデバイスを監視することができる電力変電所のアプリケーションについて紹介しています。

アプリケーションのバックグランド:既存の問題点

電力管理の現在の傾向は、変電所産業に大きな影響を及ぼしています。2013年以降、電力とオートメーション技術におけるあるトップ企業が、ユーザがModbus TCPネットワークに電力メータ、パワーRTUおよび保護リレイといった複数のModbus RTUデバイスを接続することができる電力監視ソリューションの提供を開始しました。しかし問題は接続性ではなく、結果として生じる待ち時間でした。現在の唯一の解決法は各デバイスを各シリアルポートに接続する事です。しかし、一度に1つのModusプロトコルのリクエスト-応答しかサポートしない従来の低いパフォーマンスのラウンドロビン方式ポーリングメカニズムの使用を避ける必要があります。さらに悪いことに、このソリューションは、SCADAリソースとネットワーク帯域幅を浪費します。また、もう1つの重要な要件は、システムの信頼性を確保するために有効電力とイーサネット冗長レジメンを採用している点です。

3つの主な要件:
  • Modbusコマンドのキー入力なしに大規模なネットワークのModbus RTUデバイスをModbus TCPネットワークへ接続し、同時にハイパフォーマンスを維持
  • デュアルIPアドレスをサポートするデュアルイーサネット接続
  • デュアルVAC/ VDC電源入力
Moxaのソリューション:アクティブポーリングによるハイパフォーマンスの実現

我々は、Moxaのゲートウェイを使用して能動的にリモートサイトで取得したすべてのデータを収集する、革新的かつインテリジェントな方法で大規模ネットワークの複数のデバイス監視を行う上記の課題に取り組みました。この技術を使用すると、ModbusコマンドをSCADAからコピーしてModbusゲートウェイに格納することで、数百のModbusコマンドを設定する時間が省けます。そしてローカルコントローラは、低速なシリアルデバイスの応答で遅れる事なく、読込み済みデータを送信して即座にSCADAリクエストに応答します。

ゲートウェイは、同時に複数のシリアルポートを介して積極的かつ継続的にModbusデバイスからデータを取得するため、Modbusデバイスへのアクセス時間を劇的に削減させます。SCADAシステムは、ゲートウェイを通してシリアルポートにコマンドを送らず、ゲートウェイのメモリからModbusデバイスデータを直接取得することができるので、Modbusゲートウェイの通信パフォーマンスを向上させます。MoxaのMB3660-8/16ゲートウェイは、従来のラウンドロビン方式ポーリングメカニズムに比べて10倍以上高速に実行します。

電源およびイーサネットの冗長性

複雑なModbusのシステムでは、冗長性が非常に重要となります。MGate MB3660 Modbusゲートウェイは、電源入力とイーサネット接続の両方の冗長性をサポートします。MGate MB3660ゲートウェイは、電源の冗長性のためにデュアルACまたはDC電源入力を内蔵しています。また、ネットワークの冗長性を確保するためにデュアルデュアルイーサネットポート(異なるIPをサポートする)を備えています。