RS-422 と RS-485 システムのケーブルの選び方に関しては、ほとんどの場合考慮されていません。選ぶ過程でいくつかの細かい点に注意すれば、何千フィートものケーブルを再度配線する様な余分な経費を削減することが出来ます。
ケーブルを発注する時に、信号グランドの導線は、見過ごされがちです。特殊なツイストペアーは、信号グランドをとるために十分な導通を持つように明記する必要があります。2線のシステムは、2組のツイストペアーを必要とし、4線のシステムは、3組のツイストペアーを必要とします。
実際にシールドケーブルが必要か必要でないかを見極めるのは大変な事です。しかしシールドケーブルの追加コストは、通常それほどかかりませんので、最初に設置するだけの価値はあります。
RS-422 またはRS-485用の送信ケーブルを選ぶ時には、システムで必要とするケーブルの長さとデータレートを見極める必要があります。EIA RS-422-A標準の付録は、24 AWGツイストペアー電話線のケーブル長とデータレートに関わる経験的なカーブを現しており、電話線は、16pF/ftの並列容量を持ち、100Ωで終端されています(図3.1を参照)。 このカーブは、以下の信号品質の仕様をベースにしています。
(図3.1)24 AWG ツイストペアーケーブルを使用したバランス型の
インターフェースでのデータ通信レート対ケーブル長
送信ケーブルの損失は、AC損失(スキン効果)、DC導通損失、リーケージ、絶縁体の中のAC損失分の全体です。高品質なケーブルでの導体損失と絶縁体損失は、大きさでは同じレベルです。図3.2では、異なるケーブルの性能は、大きく差があることを示すためにこのアプリケーション・ノートに入れてあります。このチャートは、3つの異なるBeldenケーブルに対する損失対周波数を示します。ポリエチレンケーブルは、PVCケーブルよりも損失がかなり小さいので注目して下さい。
(注1)上記の損失データは、Belden Wire and Cable 社の好意により提供されました。
(注2)Dataleneは、Belden Wire and Cable 社の登録商標です。またDataleneは、発泡気孔ポリエチレン絶縁体の型式です。
(図3.2)各種ケーブルに対する損失対周波数
送信ケーブルを選ぶ場合のその他のアプローチは、E-GRADE Programで、これはAnixter Bros. Incで確立されました。Anixter は、世界的なワイヤリングシステム製品のディストリビュータの1つです。このプログラムを元にAnixterは、データインタフェースケーブルを以下の様に4つのカテゴリーに分類しています。
単純なチャートにより、ユーザがケーブルのパラメータを技術的に理解していなくても適切なケーブルを選択することが可能です。このプログラムは、使用カテゴリーをEIA-232-D、EIA-422-A、EIA-423-Aに分類します。この資料を使用する時には、RS-485ケーブルを選択する場合EIA-422-Aチャートを使用して下さい。
国内では、アイ・ビー・エスジャパンが供給するCC27シリーズ長距離伝送ケーブルがこれらに該当します。
長距離伝送ケーブル