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【メディア掲載情報】工業技術社発行の「計装」2024年3月号に記事が掲載されました

  • 2024.02.14

「計装」2024年3月号

工業技術社発行の「計装」2024年3月号に、弊社企画開発部マーケティング課 田畑が寄稿しましたスマート設備管理に関する記事「IoTゲートウェイを用いたインフラ設備の状態監視」が掲載されました。

「工場ネットワークと海外データの連携~グローバル化への新展開」を特集とした本号において、過酷な環境下にもなりうるインフラ設備の状態監視について、産業現場で多くの採用実績をあげているコネクシオ社のIoTゲートウェイの特長や事例を交えて紹介しています

  • 「計装」のお求めに関しては、発行元である工業技術社のWebサイトをご確認ください
寄稿記事
「IoTゲートウェイを用いたインフラ設備の状態監視」

アイ・ビー・エス・ジャパン株式会社
企画開発部マーケティング課
田畑 千絵(タバタ チエ)

はじめに

生産性の向上や省人化が求められるなかで、遠隔地にあるインフラ設備のリアルタイム状態監視や予兆保全をどう進めたらよいか。
インフラ設備で使われているセンサなどの計器は、必ずしもネットワークに対応しているとは限らない。何より、これまでの状態監視には少なからず「人の手」が必要であった。しかしながら、目視確認やデータの手入力は、手間がかかるのもさることながら、知識や経験、能力により、その精度や効率が大きく左右される。また、遠隔地の場合は、実機の定期保守や故障・不具合のたび、技術者が現地に出向く必要があり、昨今の人手不足も相まって、巡回頻度に限界を感じている現場も少なくないだろう。
産業現場でリモート化が進まない一因ともいえるこの課題は、人の移動が厳しく制限されたコロナ禍において、さらに注目されることとなった。

そこで、人の代わりになりえる、道筋や入口がまさに、IoT ゲートウェイである。 IoT ゲートウェイは、異なる種類やプロトコルのデバイスとクラウドサービスとの間で、通信を仲介する役割を果たし、クラウドベースのアプリケーションやデータ処理システムと連携。広範なIoT エコシステムを構築する際に重要な要素となる。設備インフラの状態監視においては、データの収集から処理、セキュリティ、通信までの様々な側面で効果的な役割を果たし、設備の効率向上やトラブルの早期発見に寄与することができる。

本稿では、ときに過酷な環境下となるインフラ設備の状態監視について、様々な産業現場で採用実績をあげている、コネクシオ社が提供するIoT ゲートウェイの特長や事例を交えて、その有用性をご紹介する。

IoTゲートウェイとは

コネクシオ社のエッジコンピューティングIoT ゲートウェイ「CONEXIOBlackBear」を例に、その特長をみていきたい。
前述の通り、センサなどの計器にも対応するために、IoT ゲートウェイには豊富なインタフェースが求められる。CONEXIOBlackBearは、有線ではシリアル、DI/DO、CAN1/2、イーサネット、USB、無線ではLTE、Wi-Fi、Bluetooth、GPS に対応しており、様々な機器やセンサと接続可能。また、オプションでLPWA、Wi-SUN、EnOcean などにも対応可能となっており、接続の幅はさらに広がる。
また、耐振動性:2.8G( ISO16750-3)、耐衝撃性:50G(ISO16750-3)、動作温度:- 20℃~ 70℃、電源電圧:9~32V と、耐環境性能にも優れており、インフラ設備など産業現場の過酷な環境でも動作する堅牢な設計となっている。

インフラ設備の遠隔監視において、IoT ゲートウェイが実際にどのように使われているのか。ここからはいくつかの事例を紹介していきたい。

活用事例
排水処理プラントの予兆保全

あるプラント設備事業者では、24 時間× 365 日止めることのできない浄水処理プラントの予兆保全をし、突発的な故障などによる緊急対応による業務負荷の軽減と、人による循環点検の知覚、認識精度による差をなくすため、その標準化を図ろうとしていた。
そこで、IoT ゲートウェイを採用し、対象となる機器に振動センサと絶縁劣化監視センサを設置、取得したデータをゲートウェイで吸い上げ、ゲートウェイ内のエッジ処理により、異常な振動・消費電力、電流・絶縁抵抗値をリアルタイムでモニタリングし、時系列として表示した。
時系列で状態変化を表す連続データの見える化により、従来の人的監視では困難であった包括的な状態把握を実現した。異常値を検知することで、突発的な設備の停止を未然に防ぐことが可能となり、緊急対応のための人員や工数、そして心理的負担の軽減へとつながった。また、これらのデータの蓄積は、設備の将来的な故障やメンテナンスの必要性を予測するため、計画的なメンテナンスによる設備稼働率の向上を実現した。

そこで、IoT ゲートウェイを採用し、対象となる機器に振動センサと絶縁劣化監視センサを設置、取得したデータをゲートウェイで吸い上げ、ゲートウェイ内のエッジ処理により、異常な振動・消費電力、電流・絶縁抵抗値をリアルタイムでモニタリングし、時系列として表示した。
時系列で状態変化を表す連続データの見える化により、従来の人的監視では困難であった包括的な状態把握を実現した。異常値を検知することで、突発的な設備の停止を未然に防ぐことが可能となり、緊急対応のための人員や工数、そして心理的負担の軽減へとつながった。また、これらのデータの蓄積は、設備の将来的な故障やメンテナンスの必要性を予測するため、計画的なメンテナンスによる設備稼働率の向上を実現した。

活用事例
河川水位の遠隔監視

地球温暖化により、豪雨による水害が頻発・激甚化するなかで、非常時にリアルタイムで河川の増水・反乱などの危険性を検知し、迅速かつ適切な防災情報を出し、避難体制を確立することは各自治体が持つ急務の課題となっている。
ある自治体では、河川に設置したIoT 水位計のデータをゲートウェイで収集、ゲートウェイで処理したデータを、モバイル回線を介してクラウドへアップロードし、水位状況の見える化を実現した。これにより、人が危険な河川に行かずとも、安全な場所から増水状況等を把握できるようになり、避難の迅速化や危険地域への接近防止など充実した防災対策の基礎情報を、地域住民へ提供することを可能にした。

活用事例
太陽光発電設備の遠隔監視

太陽光発電設備では、長期運用による経年劣化のほか、落雷等の自然災害により突発的な故障・不具合が発生することもあり、遠隔地では発見の遅れが機会損失となることもある。
そこで、ある太陽光発電プラント事業者は、設備の異常の早期発見と迅速な対応、リアルタイムで発電状態を可視化するため、発電システムに使用されている「RS-485」インタフェースをそのまま利用できる、IoTゲートウェイを導入した。パワーコンディショナ(PCS)や各種センサのデータをシリアル通信(RS-485)を介してIoT ゲートウェイで取得。LTE 回線でデータをクラウド上に蓄積し、監視アプリケーションでデータを可視化、異常を通知した。
これにより発電状況の遠隔監視を実現することで、異常・故障の早期発見を実現し、売電ロスによる機会損失を抑え、サービス向上へとつなげることができた。

このように、様々な現場、産業で使用されている IoTゲートウェイ。それは当たり前の生活の中にある、身近な存在になりつつあるとも言える。より良い環境を求める声や効率、人材不足のカギとなるのは、ヒトとモノの両立と、成したいコトへの情熱と小さな閃きからなのかもしれない。

最後に
弊社では、コネクシオ社のIoT ゲートウェイ「CONEXIOBlackBear」「Armadillo」シリーズのほかにも、様々な産業用プロトコル、通信方式、認証に対応したIoT ゲートウェイを扱っている。また、ネットワークの可視化も含むトータルソリューションのご提案も行っている。設備や機器の状態監視について課題をお持ちの際は、ぜひ弊社までお気軽にご相談いただきたい。