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製品・技術情報

初歩の電波(無線と電波について)

  • 2010.03.02

第4章 さらなる理解へ

ここでは、これまでに電波に関連する概要説明をした中で分かりにくい内容をさらに詳しく、テーマを絞って説明します。多少難しい部分も含まれますが、これにより理解が深まり、さらに興味を持ってもらえるように願っております。

4-3) 電波の性質

電波は、周波数に応じて伝搬特性が変わります。一般的に周波数が低いと、雨、ビル、山等の多少の障害物があっても回り込む特性があるために遠くまで届き易く、周波数が高いと光の様に反射し易く、少しでも雨、霧等の障害物があると減衰する性質があります。

周波数が低いと地上を這うように進む地表波となり遠くまで届きますが、扱える周波数帯域が狭いために大量の情報量を送るのに不向きです。一方周波数が高いと、進み方が直線的になり距離による電波の減衰が激しくなりますが、扱える周波数帯域を広く取れるために大量の情報量を送ることが可能になります。この性質は非常に便利で、距離が離れれば、同じ周波数を使用してもお互いに影響を受けなくなり、色々な場所で電波を有効に利用出来ることを意味します。携帯電話は、エリア毎に分けて同じ周波数を有効に利用しています。

以下の図には、比較的周波数の低い中波、短波、超短波(300MHz以下)の電波の進み方を示します。地球の外側 約80km~500kmの所に電離層と呼ばれるイオンや電子の密度の変化する層が存在します。電波はこれらの層で反射を受けて地球に戻り、場合によっては何度か反射を繰り返し地球の反対側等の遠距離まで届くことも珍しくありません。これらの反射は、周波数や昼夜で変化します。周波数が高くなり、電波の発射角度が上を向くと電離層を突き抜け戻ってこなくなります。

上記の図は主にMF(中波)、HF(短波)、VHF(超短波)の波に特有なもので、場合によっては、スポラディックE層(Es層)がE層とF層の間に発生し反射することもあります。