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ケーススタディ:Kvaser DIN RAIL SE400S-X10 - 耐久性テストのスペシャリストが頼れる、信頼できる診断

  • 2021.08.05
ケーススタディ:DIN RAIL SE400S-X10
なぜAudiは、CAN/CAN FDの診断にKvaserおよびRA Consultingを選定したのでしょうか?
安定したCAN通信モジュールにより、常にAudiの診断データの適切な処理を保証します

自動車の耐久性テストでは、車両ごとに数十万時間のテストデータが作成されます。Audiのテストベンチにおいて、KvaserのDIN Railイーサネット-to-CAN/CAN FDインターフェース および RA ConsultingのDiagRA D診断ソフトウェアは、信頼性に優れた診断データの収集を実現しました。

チャレンジ

自動車の耐久テストでは、エンジニアが物理的に近くで試験プロセスを監督する一方で、crash behaviour(衝突挙動) や aerodynamics(空力特性) だけでなく、新車の標準的な物理試験であるNVH(ノイズ・バイブレーション・ハーシュネス)試験の絶え間ない繰り返しからエンジニアを隔離するために十分な距離をとる必要があります。多くのテストシステムと同様に、データの収集や耐久試験では、データ収集と解析が同じ場所で行われることはほとんどありませんが。この2つの場所をつなぐためには、リアルタイムでのデータ収集の保証と信頼性が特に必要となります。

NeckarsulmのAudiテスト施設において、車両の排出ガス、消費、距離テスティングの車両測定テクノロジーとテストベンチオートメーションを担当するPatrick Guhlは、"テストベンチの車両とDiagRA D診断ソフトウェアが動作するコンピュータとの間で最大100mの距離を確実にブリッジできるCAN FD対応モジュールを探していました。このモジュールは、車両の診断データとPCにアクセスするためのツール間の通信を中断することなく、安定したコネクションを確保する必要があります"。重要な追加要件は、電圧降下またはコンピュータの再起動後の独立したコネクションです。

ソリューション
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CANおよびCAN FDデータを収集するDiagRA D診断ソフトウェアの長期ユーザとして、Audiの耐久性テストチームは、ブリッジングソリューションに関するアドバイスをRA Consulting(RAC)に求めました。KvaserのテクニカルアソシエイトであるRA Consulting(RAC)は、KvaserのDINレールSE400S-X10をテストしました。このSE400S-X10は、DIN Railレールマウンタブル・マルチチャネルのプログラムマブルイーサネット-to-CAN/CAN FDインターフェースです。SE400S-X10は、Kvaserの標準ユニバーサルドライバを使用し、RACのDiagRA DソフトウェアとKvaserのDIN Railシリーズ間の将来を見据えた統合を可能にします。

RACのマーケティングおよびセールスマネージャであるMario Hoppeは、"Wi-FiとBluetoothは、多くのテストシナリオでデータを送信するために十分なスピードを実行できますが、長距離通信を必要とするケースや建物のレイアウト、環境条件によっては、必ずしも適切でない場合があります。Kvaser DIN Rail SE400S-X10は、DIN Railマウントタイプのマルチチャネル、プログラマブルイーサネット-to-CAN/CAN FDインターフェースです。このデバイスは、4 CAN/CAN FDチャネルおよびデジタル、アナログ、リレイの3つの異なるAdd-onモジュールをサポートしているため、多目的なアプリケーションに使用できることが証明されています。また、イーサネットケーブル配線により多くのDIN Railモジュールをそれぞれのテストベンチに簡単に割り当てることができます" と述べています。

Audiは、1つのソースからソフトウェアとハードウェアを調達することができるワンストップショッピングの特長を生かし、専任の担当者に質問およびサポートを任せることができました。Patrick Guhlは、"Kvaser DIN Rail SE400S-X10は、電圧、LAN、OBD(On-board diagnostics)対応ができ、インスタレーションが容易であること、トップハットレールマウンティング・フォームファクタにより既存のシステムと簡単に統合できる"と述べています。

KvaserのDIN Rail SE400S-X10は、AudiのNeckarsulmおよびIngolstadtテスト施設にあるdynamometer(動力計)のバンクを通して24時間365日のテストを実行し、CAN/CAN FDがAudiのテストサブジェクトからデータを確実に収集できることが保証されました。RA ConsultingのDiagRA Dソフトウェアは、このデータを組み合わせ、データ収集とトラブルシューティングにOEM固有の診断ルーチンを使用します。RA ConsultingのDiagRADの高度な開発機能とKvaserのDIN Railモジュールのファームウェアの更新機能により、システムは、新しい機能の追加や、Audiの診断テストのニーズの変化に対応して進化することができます。

RA CONSULTING GMBH
ベスト自動車ソフトウェアソリューション
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25年以上にわたり安定したビジネス展開を続けているRA Consulting GmbH of Germany(RAC)は、自動車マニュファクチュアラーの開発部門だけでなく、何百もの自動車マニュファクチュアラーと直接取引するティア1(Tier1)サプライヤの開発パートナーで知られています。カスタマーのニーズに焦点を当てた長期的な製品とソリューションが、この成功を支えている理由です。

自動車事業部門の主な活動には、コントロールユニットの診断、測定、校正のためのソリューションが含まれています。RACの診断ソリューションには20,000人以上のユーザが存在し、有名な製品名であるSilverScan-ToolおよびDiagRADは、DiagRAMCDツールセットの診断部分です。SilverScan-ToolおよびDiagRA MCDツールセットは、Kvaser CAN製品をサポートしています。

KVASER DIN RAIL SE400S-X10
DINレールマウント マルチチャネル、プログラマブル イーサネット-to-CAN/CAN FDインターフェース
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Kvaser DIN Rail SE400S-X10は、DIN Railマウントタイプのマルチチャネル、プログラマブルイーサネット-to-CAN/CAN FDインターフェースです。このデバイスは、4 CAN/CAN FDチャネルおよび最大4オプションのKvaser DIN Rail SE400S-X10 I/O Add-onモジュールをサポートしています。Add-onモジュールには、デジタル、アナログ、リレイの3つの異なるタイプがあります。SE400S-X10は、自動車のテストセルや最終ラインのプロダクションテストアプリケーションに最適で、自動車のボディコントロールモジュールをテストする診断ルーチンといったKvaser tプログラミング言語で書かれたプログラムをダウンロードして実行できます。

主な特長
  • マルチチャネルCAN-to-イーサネットインターフェース
  • 最大8 Mbit/s CAN FDサポート(正しい物理層の実装による)
  • ネットワーク化されたCANインターフェースとKvaser tプログラマビリティによるCANメッセージの監視およびレスポンス、I/O機能の開発、プロトコル処理の最適化が可能
  • CANチャネルごとに、最大20,000メッセージ/秒の伝送機能
  • 標準シールド付RJ45ソケットを使用したオートMDIXによるイーサネットコネクション
  • CANチャネルのガルバニック絶縁
  • Kvaser DIN Rail SE400S-X10ベースモジュールのオプションとして、デジタルおよび/またはアナログ入出力用の最大4 Add-onモジュールをサポート。Kvaser CANlibおよびtプログラムを介してコントロール可能
  • J1939、CANopen、NMEA 2000、DeviceNetと完全な互換性
  • DIN Railに簡単にマウントできるモジュラープラスチックハウジング、工具不要
  • Kvaser tプログラミング言語で書かれたプログラムをサポートしたゲートウェイ機能が可能
  • ユーザは、Kvaser tプログラミング言語で記述されたIO機能を開発可能
  • Kvaser CANlibを使用してPCIcanやUSBcanなどのKvaserハードウェアのために書かれたすべてのアプリケーションと互換
  • Class 2/SELV電源必要
DIN Rail SE400S-X10