スウェーデンに拠点を置く電動バイクメーカ "Cake" のリチウムエンジン搭載の電動バイクに対して、ライダーやレビュアーが熱いものを感じるのは何故なのでしょうか。このように高い評価を得ている製品の開発には、数多くの課題がありました。幸いなことに、そのような課題のいくつかは、CANプロトコルやKvaserのハードウェアソリューションにより解決することができました。
CAKEの電動バイクは、CANテクノロジーを使用して、ビークル通信、安全性および規制への対応、サービスの3つの課題に取り組みました。
電動オフロードバイクKalkのようなCAKEの電動バイクのユニークな特徴の一つは、3つの異なるライディングモードと回生制動(regenerative braking)モードをバイクに統合したことです。これにより、1台の電動バイクでライダーが求める異なる経験のニーズに応えることができます。
"Explore"モードでは、スピードとパワーを制限することで初心者のライダーをターゲットにします。"Explore""モードでは、道路の中央(middle-of-the-road)を走行可能となり、"Excite""モードでは、バイクのトルクとパワーが解き放たされました。
勿論、この3つのモードを可能にするには、電動バイクのECU、バッテリマネージメントシステム、ディスプレイの間でCAN通信が必要となります。
CANテクノロジーは、ユニバーサルサービスと診断機能に加えて、米国とヨーロッパでの道路交通法認証に必要な、いくつかの重要な安全機能を実現するために必要となる鍵になりました。
CAKEの共同創設者兼製品開発者であるNilsYtterbornは、次のように述べています。"まず、スピード(kph/mph)、バッテリーの充電状態、走行距離と走行距離計、ライドモード、ブレーキに関する情報をライダーに提供するために、ディスプレイユニットが必要でした。次に、ビークルコントロールユニットの電気的な問題を診断するための世界共通の標準的な方法であるOBDII規制に準拠する必要がありました"。このため、CAKEはCANに切り替え、すべてのモデルでKvaserのテクノロジーの使用を開始することになりました。
CAKEは、開発およびテスト中のプログラミング、および組立ライン上の電動バイクのプログラミングのためにKvaserインターフェースを使用しました。また、CAKEは、KvaserのLeaf Light HS v2を各認定ディーラーに提供し、そこで電動バイクのCAN通信とPCを接続して電気的な問題のトラブルシューティングを行っています。
CAKEは、ECUマニュファクチュアラー独自のソフトウェアプラットフォームを使用して問題の診断、バイクのアップデートおよびパラメータの変更を行います。一方、OBDII機能は、サービスワークショップがトラブルシューティングに標準化されたOBDII診断ソフトウェアを使用することができます。
"ECUマニュファクチュアラーがKvaser Leafを推奨した理由は、それが生産現場、遠隔地、また、社内でのテスト、検証、新しいファームウェアの開発においてもCANシステムに簡単にアクセスでき、スモールフォームファクタでパワフルかつ価格競争力のあるオプションだからである" と、Ytterbornが語っています。
現在、CAKEの米国またはヨーロッパのセールスオフィスは、ディーラーとのリモートサービスセッションに対応していますが、今後1年間で需要と販売が急増すると予想される中で、会社はテレマティクスシステムに移行し、現場の電動バイクからの貴重なデータを収集できることを予定しています。KvaserのLeaf Light HS v2は、電動バイクのテレマティクスシステムとのブリッジを可能とすることで、将来のトラブルシューティングタスクが容易となります。
Kvaser Leaf Light HS v2は、コンピュータをCAN busネットワークに接続する最も簡単で低コストな方法の1つを提供します。Leaf Light HS v2は、USB 2.0準拠コネクタとDSUB-9コネクタを備え、洗練された人間工学に基づいて設計されたケースにより、日常の使用に耐える堅牢性と、スペースに制約のあるアプリケーションで使用することができる十分な柔軟性を備えています。標準としてガルバニック絶縁をサポートしています。