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コネクテッドセンサとマシンを通してスマートマニファクチュアリングを実現

  • 2019.02.06
コネクテッドセンサとマシンを通してスマートマニファクチュアリングを実現

マニファクチュアリングアプリケーションに必要とされるスマートマシンの価値は現実的なものとなりました。これらのマシンを使えば、リアルタイムのデータ収集、リモート監視、予知メンテナンス、そして生産品質の向上のための自己学習を適用できます。従って、ファクトリの機器は、膨大な量のデータを提供することができます。ここでは、マシンの周囲にインテリジェンスの構築を始めるために必要な基本について説明します。

センサの接続

ファクトリ機器が提供できる膨大な量のデータがあります。ファクトリのウォークスルーが完了した後、オペレーションにとって最も重要なデータを提供する重要な機器の精査を行います。これには、PLC、センサ、温度計、製造マシンなどのデバイスが含まれます。

個々のセンサ、ゲージ、およびマシンから情報を抽出できるコネクティビティデバイスを必要とするため、それらのパフォーマンスや生産要件の範囲外の変動について、常に最新の情報を入手できます。多くの場合、センサデータはI/Oデバイスを介して抽出できます。これらのデバイスをプロトコルゲートウェイに接続すると、I/Oデータは産業用プロトコルに変換され、イーサネット経由でSCADA/MES(製造実行システム)に送られます。

センサの接続
マシンの接続

マシンからのデータを可視化する際、イーサネットが標準となります。ファクトリマシンにイーサネットコネクションがない場合は、既存のRS-232C/422/485などのシリアルコネクションを使用することができます。これはあえて、高価なイーサネット対応にするためにファクトリ設備に対して多額の投資をすることなく、レガシーのシリアル機器がイーサネット経由でデータを転送することができるので、ファクトリマシンのIQを高めることを模索している人にとってグッドニュースです。実際、これは新しいマシンを購入するコストのほんの一部を使い、接続されたファクトリのすべての利点をそのまま提供するスマートファクトリを採用する際の、最も好ましい方法です。

この作業を開始するに当たり、既存のコンピュータが使用するコネクションとプロトコルの種類を特定します。これはコンベヤ、ロボットアーム、CNCマシン、自動ローダなどを含みます。PLCに接続されている場合、これらのPLCとのコネクションとプロトコルを特定します。これにより、現場の機器とMESソフトウェア間の潜在的なギャップをブリッジする方法を計画できます。これらが異なるプロトコル言語を使用している場合、PLCとMES間の通信ギャップ(例えば、fieldbusからイーサネット)をブリッジするプロトコルゲートウェイが必要になります。

マシンの接続
エッジコンピューティング

コネクテッドセンサ、マシン、その他の機器から情報を抽出する方法を見つけ出したら、豊富なデータを利用できるようになります。しかし、シングルコンピュータの場合、この生成されたデータすべてを処理するのは極めて面倒です。この問題を軽減するためには、産業用コンピュータを使用してローカライズされたデバイスデータをSCADAシステムに転送する前に処理します。この方法により、データ収集はネットワークのエッジで(時にはリモートロケーションで)実行され、必要とする重要な情報だけをコントロールセンタに転送します。

エッジコンピューティングは、IIoTを使用するケースにおいて具体的な価値を提供します。センサデータの生のストリームの代わりに重要な情報のみを転送することで、コネクティビティコストを削減することができます。これは、スマートメータや資産トラッカなどの、LTE/セルラー経由で接続するデバイスにとって特に価値があります。また、例えば産業施設や採掘現場でセンサによって生成された大量のデータを扱うとき、データを転送する前に解析およびフィルタリングする機能を有することは、ネットワークと計算リソースの大幅な削減に繋がります。また、エッジコンピューティングは、待ち時間の短縮、接続アプリケーションの応答性と堅牢性を高め、MES/MI(Manufacturing intelligence)ソフトウェアへの依存度を下げ、マシンおよびデバイスから生成される大量のデータをより適切に管理できます。

エッジコンピューティング

デバイスからクラウドへデータを送り出して、その反応が戻ってくるまでのラウンドトリップの遅延を回避することは、コンピュータビジョンまたは機械学習を使用するアプリケーションにとって重要です。例えば、自動光学検査(AOI)マシンは、プリント回路基板(PCB)またはLCDトランジスタの自動目視検査です。製造業者は、致命的な障害(例えばコンポーネントの欠品)および品質の欠陥(例えばフィレットサイズまたは形状/コンポーネントのスキュー)の両方についてテストするためにデバイス上のマシンビジョンを使用します。エッジコンピュータを介して画像処理タスクを実行するAOIマシンは、ネットワークを介して送信する画像ファイルの数を最小限に抑えることで、検査プロセスに必要なデータの帯域幅、処理、およびストレージ量を削減します。さらに、より高度な機械学習アルゴリズムを採用することで、画像認識の精度を向上させ、一方、誤認識やダウンタイムの可能性を削減します。

エッジコンピューティング

エッジコンピューティングを使用してデバイス内の機密情報を保持し、エッジネットワーキング機器を使用してセキュリティを強化することで、セキュリティを向上させることができます。このようにして、デバイスデータはネットワーク上を移動せず、発信元の近くに留まります。企業のデータセンタやクラウド環境のデータ量を減らすことで、システムが危険にさらされた場合に侵入者が利用できるものを最小限に抑えることができます。

エッジコンピューティングを通して、システム設計者は、フィールドデバイス、ゲートウェイ、クラウドの機能を完全に活用しながら、分散コンピューティングのメリットをエンド・ツー・エンドで学習する機会を得ることができます。今日、エッジコンピュータは、ますます高度化するコンピューティング機能によってクリエイトされ、デバイスソフトウェアとそれが実行できるローカルコマンドのリストの自動更新を可能にするので、これらのシステムが「将来まで使い続ける保証」を実現します。