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Industry 4.0で TSN (Time-Sensitive Networking) の成功を確実にする相互運用性の実現

  • 2020.01.17
Industry 4.0で TSN の成功を確実にする相互運用性の実現

TSN (Time-Sensitive Network)は、IIoT(Industrial Internet of Things)の将来の要件を満たすために基本的に標準イーサネットテクノロジーの進化における次のステージです。TSNを使用すると標準のイーサネットネットワークで、ある決められた時間以内に必ず通信が実行されるという仕様のdeterministic(時間確定性)サービスを提供し、過去の多くの専用プロトコルによって以前は分離されていた個々の自動化セクターを統合できます。

相互運用性はTSNの成功の鍵

TSNテクノロジーは、標準的なイーサネットを介して、ある決められた時間以内に必ず通信が実行されるという仕様のdeterministic(時間確定性)ネットワーキングへのスケーラブルで予測可能なアプローチを提供します。しかし、TSNは、単一の包括的なソリューションというよりもtoolboxであるためシステムインテグレータは最終的に独立したベンダと複数のプロトコルに依存して、各産業アプリケーションの特定の要件を満たす必要があります。この窮地がTSNの導入を確実に行う鍵となる相互運用性の理由です。最終的に、TSNに基づくユニファイドインフラストラクチャでは、基本的に2つの重要なフロントでの相互運用性を必要とします:

  • 1. Layer 2ネットワーキングおよびメッセージングのためのTSN準拠の共通のアーキテクチャ
  • 2. 複数のプロトコルを介して通信するための共通のセマンティクス

IIoTとIndustry 4.0への道

共通のアーキテクチャ:Layer 2の相互運用性

deterministicなイーサネット規格としてTSNは、基本的にコンピューターネットワーキングのOSI(Open Systems Interconnection)モデル内のLayer 2テクノロジーです。また、Data Link Layerとも呼ばれるLayer 2は、イーサネットフレームを転送するプログラムされたテクノロジーを含みます。低遅延ネットワークを介してのリアルタイム通信、高いネットワーク負荷にもかかわらず堅牢性、およびIT(情報技術)とOT(運用技術)の両方の統合データ転送のIndustry 4.0の要件を満たすために多くのイーサネットスイッチマニファクチュアラと業界組織は、IEEEが開発したオープンTSN標準を採用しています。つまり、TSNは新しいテクノロジーではありませんが、IEEE 802.1--イーサネットの拡張に関するものです。 イーサネットは、リアルタイムでデータ伝送を保証できますがデータがいつ到着するかを正確に保証することはできません。 低遅延ネットワークを介してdeterministic通信、高いネットワーク負荷にもかかわらず堅牢性、およびIT(情報技術)とOT(運用技術)の両方の統合データ転送のIndustry 4.0の要件を満たすためにIEEEワーキンググループは、オープンTSN規格を開発しました。

TSN対応イーサネットスイッチを使用すると、システムインテグレータは、既存のアプリケーションプログラムを変更することなくIndustry 4.0の高帯域幅のリアルタイム要件を満たすことができます。更に、これらすべてを実行でき、標準のIEEEイーサネットスイッチを使用するだけで"plug-and-produce"デバイスを統合ネットワークに追加することもできます。

一般的なセマンティクス: Layer 2を超えたプロトコルの相互運用性

将来の"自律ピラミッド"内のデバイスは、独立したベンダによって開発することができますが、Layer 2デバイスだけでなく、Industrial Internet of Things(IIoT)の完全なベネフィットを実現するために各機器がシステム内の他のすべてのコンポーネントと通信できる必要があります。Layer 2レベルにおける従来の自動化のアイランドを分離する障壁を取り除くだけでなくTSNの実装を成功させるには、より柔軟なトポロジーを可能にし、産業用アプリケーションの新しい機会を開くためにレイヤー間のプロトコル相互運用性が必要です。

例えば、CLPA(CC-Link Partner Association)、ETG(EtherCAT Technology Group)、EPSG(Ethernet Powerlink Standardization Group)、VDMA(Mechanical Engineering Industry Association)、ODVA(Open DeviceNet Vendors Association)およびPROFIBUS&PI(PROFINET International)を含む世界中の業界組織などは、OPC UA(OPC Unified Architecture)と異なるベンダや規格間で共通のセマンティクスを実現するためのコンパニオン仕様を中心に一体化しています。

オートメーションのための完全な相互運用性

産業ネットワーキングのユニファイド基盤

IIoTは、産業用コントロールシステムのリアルタイム通信を可能にするために高帯域幅、低レイテンシー、deterministicネットワーキングを必要とするためTSNはベストエフォート通信の従来の制限を超えて進化するdeterministicサービスを提供できる標準イーサネットテクノロジーをもたらします。マニファクチュアラは、アプリケーションの自動化およびコントロールを隔離され自動化されたアイランドに閉じ込める必要がなくなります。代わりに、産業用アプリケーションは、従来のPurdueモデルの水平および垂直コンパートメントを超える新しい双方向コミュニケーションフローにより統合された未来が期待できます。

国際標準化団体やMoxaのようなデバイスベンダがTSNを中心にコラボし続けている結果、この標準イーサネットテクノロジーが産業ネットワーキングの将来の基盤になることは明らかです。

ホワイトペーパー:TSN (Time-Sensitive Network)が産業オートメーションに革命をもたらす

スマートマニュファクチャリングの将来のために真のユニファイドネットワークインフラストラクチャを定義するために国際標準化団体およびMoxaなどのハードウェアベンダがコラボして、標準イーサネットを拡張する産業用ネットワークとITネットワークシステムとの情報通信が混在する中で相互運用の実現を可能とするネットワーク技術であるTime-Sensitive Networking(TSN)を基盤とするソリューションを開発しています。TSNが真のIIoTネットワークを実装するための強固な基盤を形成することで世界のマニュファクチュアラは最終的にIndustry 4.0が約束するすべてのベネフィットを享受できます。