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10倍高速なModbusデータ収集でSCADAを高速化

  • 2020.08.28
10倍高速なModbusデータ収集でSCADAを高速化

イーサネットベースのSCADAシステムで膨大な量のModbusシリアルデータを収集することは、エンジニアにとって複雑で困難な作業です。ModbusシリアルプロトコルとModbus TCPプロトコルを変換する使いやすいプロトコルゲートウェイソリューションに加えて、エンジニアは、大規模ネットワークが高速かつスムーズに動作するために、多数のシリアルデバイスからのデータ収集時間を短縮する効率的な方法を必要とします。

エンジニアのジレンマ

電力監視システムなどの大規模で重要なアプリケーションにおいて、SCADAシステムは、フィールドデバイスが同時データ収集リクエストへのレスポンスを1つずつ送るのを待つ余裕がありません。例えば、フィールドに300のシリアルメータがあり、データの収集にModbusゲートウェイを1つだけ使用する場合、ポーリングサイクルが完了するまでに少なくとも30秒かかります。これは、データの傾向の追跡、または障害を分析することが容易ではないことから許容できません。

さらに、3~5秒のポーリングサイクルが一般的な要件です。従って、エンジニアは通常、ポーリングサイクルを短縮するために複数のModbusゲートウェイを導入することを検討します。しかし、それはコストのかかる作業であり、ネットワークが必要とするより優れたパフォーマンスを達成するには、より多くのModbusゲートウェイが必要とされます。その結果、エンジニアは、要件を達成するために予算を増やすか、従来のポーリングメカニズムに起因する低速シリアルデータの収集を許容するかというジレンマに直面します。

アクティブなポーリングで何とか危機を乗り切る

アクティブポーリングは、従来のラウンドロビン(round-robin)ポーリングメカニズムの欠点を克服するように設計され、ゲートウェイの各側が互いに独立して通信を行うことができます。一方、ゲートウェイの各シリアルポートはModbus RTUマスタとして機能し、パワーメータなどのModbus RTUスレーブをアクティブにポーリングします。他方において、ゲートウェイはSCADAシステムによってポーリングされるModbus TCPサーバとして機能します。アクティブポーリングをサポートするゲートウェイのすべての重要な機能は、シームレスなデータ収集を容易にする内部メモリです。

アクティブポーリングにはいくつかの利点があります。この方法では、ラウンドロビンポーリングメカニズムに比べてポーリングサイクルが10倍高速になります。SCADAシステムは、ポーリングプロセスのModbus RTUで待機する必要がないので、Modbus TCP要求とModbus TCP応答の時間だけがスキャン時間を構成します。

もう1つの利点としては、アクティブポーリングにより、デバイスによって生成されたすべてのデータをいくつかのパケットで転送できることです。SCADAシステムの観点から、ゲートウェイは、要求された情報を提供するデータバンクを表します。Modbus RTUとしての機能では、ゲートウェイの各シリアルポートは、さまざまなレジスタからデータを収集するために異なるメータをアクティブにポーリングします。収集されたデータは、ゲートウェイの内部メモリに継続的に格納されます。SCADAで大量のコマンドを設定する代わりに、要求されたデータを数パケットで転送するためにTCPチャンネルが必要です。

アクティブポーリングには、新しく設計されたシステムのエージェントモードと、既存のシステム拡張のためのインテリジェントモードの、異なるアプリケーションシナリオを満たすための2つのモードがあります。

エージェントモードを使用した新システムの構築

新設計システムの成功の鍵は、SCADAシステムのパフォーマンスを向上させ、SCADAプログラムの設計の柔軟性を高め、容易なコンフィギュレーションを可能にするゲートウェイにあります。エージェントモードにおいて、ゲートウェイはSCADAのパフォーマンスを向上させるために、アクティブなポーリングメカニズムをサポートします。さらに、ゲートウェイは、RTUマスタとしての機能で多くのModbusコマンドを実装することができます。このような機能は、システムの設計に関しては多くの柔軟性を提供しますが、残念ながらコンフィギュレーションタスクが増加します。コンフィギュレーションにかかる時間をセーブするために、コンマ区切り値=comma-separated value(CSV)ファイルをサポートするゲートウェイは、MS Excelを使用して容易な構成およびゲートウェイにインポートできます。これは、特に大規模なスコープの導入にとって、明らかに大きなベネフィットです。

インテリジェントモードによる既存のシステムの拡張

新しく設計されたシステムとは異なり、既存のシステムを拡張するには、同じポーリングパフォーマンスを維持しながら新しいデバイスを追加するための迅速かつスマートな方法が必要です。インテリジェントモードにより、ゲートウェイは、エージェントモードの場合のように追加のコマンド設定を必要とせずにSCADAシステムからModbusコマンドを自動的に学習できます。ゲートウェイは、アクティブポーリングを使用して、各シリアルポートでModbusマスタとして機能できます。これは、すでに一定期間実行され、定期的にコマンドリクエストがあるシステムにとって便利な機能です。

Moxaのソリューション

MoxaのMGate MB3660 Modbusゲートウェイは、高ポート密度のプロトコルゲートウェイであり、エージェントモードとインテリジェントモードの両方を含む革新的なアクティブポーリングメカニズムを備えています。新しいシステム設計か既存システムの拡張かにかかわらず、従来のメカニズムと比較してデータ収集が10倍高速になります。

革新的なポーリングメカニズムの詳細については、下記のホワイトペーパーをご覧ください。

Moxaのソリューションに関する詳細は、下記の技術情報をご覧ください。