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Moxa

輝く太陽下で安定したフローティング太陽光発電プラント - フローティング太陽光発電プラントの効率的オペレーションとメンテナンスの実現

  • 2021.11.15
安定したフローティング太陽光発電プラント
ソーラーの次の波 - フローティングPVは、再生可能エネルギーの発電オプションを拡大させます

2014年においてフローティング太陽光発電設備による発電容量は僅か10MWでしたが、2020年には100倍に成長して1.1GWを超えました。フローティング太陽光発電は、オーナーが、貴重な土地を他のアプリケーションに利用できる新しいオプションを提供します。しかし、PVを水上に設置することは、口で言うほど簡単ではありません。これらのプロジェクトを成功させるには、高度な技術を必要とします。DNV GLを親会社とする、フローティング太陽光発電プラントのソリューションリーダーであるGreenPowerMonitor(GPM)は、Moxaとコラボして、フローティング太陽光発電PVファームを効率的にオペレーションおよびメンテナンスするための統合ソリューションを開発しました。

"重要なパートナーであるMoxaとの強力なコラボレーションを築くことにより
我々のカスタマーのニーズに応えるソリューションを提供できると考えています"

Albert Carrera

Regional Manager APAC, GreenPowerMonitor

アプリケーション
  • チャレンジ

    • メンテナンス要員は通常、陸から遠く離れているフローティング(浮遊)構造設備やアイランドに行くにはボートが必要となる
    • 強風・高波などの予測不能で不安定な環境条件により、メンテナンスタスクに制限がある
    • 過酷な環境のため機器の劣化スピードが早まるので、オペレーションが難しい課題となる
  • ソリューション

    • チケットワークフローを組み込んだGPM SCADAプラットフォームにより、アラートのアクティブ化、通知、割り当てが可能
    • Moxaの産業用ファンレスコンピュータを、過酷な環境でデータロガーとして使用
    • 自己修復冗長技術をサポートするMoxaのマネージイーサネットスイッチが、パワーデバイスからSCADAプラットフォームにデータを伝送する信頼性の高いコネクティビティを保証
  • 結果

    • リアルタイムでフローティング太陽光発電プラントの監視および制御を実現
    • 機械学習アルゴリズムを活用して、パワーデバイスの予知メンテナンスが実行可能
チャレンジ
風、水、波、野生生物 - O&M(オペレーション&メンテナンス)での多くのチャレンジ

フローティング太陽光発電プラントは、優れた可能性と明るい未来を示唆していますが、克服する必要のあるいくつかの重要な課題があります。耐久性のあるPVプラットフォームの構築が最初の課題です。それは、陸上にソーラーファームを建設するほど簡単ではありません。例えば、PV杭を設置する適切な場所、地面への固定、係留の問題への対処など、多くの要因を考慮する必要があります。次の課題は、オペレーション&メンテナンス(O&M)です。"すべてが簡単にアクセスできる地上設置型のインストレーションほど簡単ではないことが確かです。メンテナンスタスクを実行するためにPVアイランドに設置されたセンサとパネルにアクセスするには、克服する必要のある固有の課題がいくつかあります"と、Carreraは指摘しています。従って、O&Mは、認定されたメンテナンス担当者が実施する必要があります。メンテナンス担当者がタスクを実行するためには、通常、陸地から遠く離れたフローティング太陽光発電プラントにボートで行く必要があります。特に、天候は、メンテナンス担当者の安全にとって重要であるため、実行できるO&Mタスクに制限を課します。例えば、風によって構造物が受ける力を示す風荷重を監視して強風状態を避けるために常にチェックする必要があります。フローティング太陽光発電プラントは、不安定で予測不可能な環境であるためです。

IIoTベースの技術が整備されていない場合、工場の所有者は、当直社員が各機器の毎日の検査を行う定期点検に大きく依存する必要があります。これらの検査は設備条件に関係なく固定支出になります。デバイスの機能や、海岸と配置サイトの間を移動する場合は、定期的なチェックアップで時間が無駄になることがよくあります。

IIoTベースのテクノロジーが導入されていない場合、プラントオーナーとしては、作業員が直接各機器の毎日の検査を行う定期検査に大きく依存する必要があります。これらの検査は、設備の状態に関係なく固定費が発生します。多くの場合、機能しているデバイスの定期検査のために適切な修理ツールを用意して陸上とフローティング太陽光発電プラント間を移動する時間が無駄になることがあります。また、原因や場所が特定できない予期せぬ電力低下が発生した場合、作業員は、各個の障害のあるフローティングモジュールを見つけるまで徹底的に点検する必要があります。それはまるで干し草の山から小さな針を見つけるようなものです。

さらに、水上に設置される電子機器は、湿度と、設置場所によっては塩分が高い海上環境により腐食が発生する可能性があり、寿命が短縮します。これらの課題は、効率的で信頼性の高いO&Mを実行するIIoTベースのテクノロジーを必要性とすることを示しています。

ソリューション
エコロジーとテクノロジーの出会い - 設置機器を管理するための合理化されたソリューション

現在まで、GPMは72か国以上で32 GWを超える再生可能エネルギー(太陽光、エネルギー貯蔵、風力)を管理しています。GPMは再生可能エネルギーの分野での豊富な経験を有し、資産オーナーやプラントオペレータが直面する多くの課題に対処できるフローティング太陽光発電業界向けのソリューションの設計に専念しています。多くの問題や課題を解決する最善の方法は、オペレータが問題をリモートで検出して解決できるテクノロジーを使用することです。このようなソリューションには、センサ、インテリジェントな分析、およびオペレータの負担を軽減するための監視と、機器を常に完全に動作させるためのサポートが含まれます。

GPMは、数十のフローティング太陽光発電ファームオーナーにそのようなソリューションを提供してきました。このソリューションはIIoTコネクティビティを活用して、プラントオーナーがGPMのSCADAプラットフォームを介して発電と機器の状態をリアルタイムで監視できるようにします。また、プラントのオーナーは、デバイスに不具合が発生したときにデバイスのメンテナンスチェックを実行することが可能です。GPM SCADAプラットフォームに組み込まれたチケッティング機能により、オペレータはすべてのアクティビティとサービスリクエストを追跡できます。このコンポーネントはアラームと直接リンクして、自動チケットを作成し、シームレスなメンテナンスシステムを提供します。

GPMプラットフォームのもう1つの利点は、データを収集して分析を実行し、地上設置型とフローティング太陽光発電プロジェクトを比較する組込まれたセンサが含まれていることです。「この種のデータがあると、資産オーナーは、地上設置型プロジェクトではなく、フローティング太陽光発電に投資する手がかりを得ることができます。その逆も可能です」とCarreraは述べています。さらに、異なる状況下でのデバイスの機能を比較することにより、オーナーが潜在的な故障率を事前に判断し、デバイスの予知メンテナンスを実行して恒久的な損傷を回避できる新しい機械学習アルゴリズムを開発できます。例えば、湿度の上昇によってデバイス内部の温度が上昇することにより、機器のライフスパンが大幅に短縮する可能性が生じます。この情報は、オーナーが予測的洞察を得るために大いに役立ち、湿度設定値に達すると自動的に警告をトリガーします。

結果
コラボレーションによる強み - 過酷な環境は、輝く機会になるかもしれない

GPMは、IIoTコネクティビティハードウェアパートナーであるMoxaとのコラボレーションを通じて、カスタマーに包括的なソリューションを提供します。Moxaの通信およびコンピューティングデバイスは、水域への屋外展開や、過酷な環境下においても、一貫して信頼性の高い耐久性があることが証明されています。フローティング太陽光発電インストレーションでは、すべてが直接太陽光にさらされているため、日陰はありません。従って、導入されるすべての機器は、高温環境で確実に動作する設計がされている必要があります。Moxaの通信およびコンピューティングデバイスは、75℃高い温度で動作することが可能であり、スムーズで中断のない動作を保証します。さらに、Moxaは、高品質で耐久性のある製品とカスタマーへの取り組みに対する確かな実績があります。Carreraは、「水と電気は決して良い関係ではありませんが、Moxa製品の不良交換率が低いため、PVアイランドで機器の問題に直面していません」と語っています。Moxaのこれらの機能により、GPMはカスタマーに長期サービスの提供を約束することができます。さらに「ハードウェアパートナーであるMoxaとのコラボレーションは、将来のフローティング太陽光発電を成功させるためにも重要であると考えています」と述べています。

過去10年間、GPMはMoxaと継続的にコラボレーションして、高品質のハードウェアを世界中のカスタマーに提供してきました。両社は、日本とヨーロッパで15のフローティング太陽光発電PV設備を含む2,000を超えるプロジェクトで提携しています。GPMは、Moxaのハードウェア製品とデータコネクティビティテクノロジーをソリューションに統合しました。これには、データロガーとして使用されるMoxa UCシリーズ 産業用ファンレスコンピュータ、変圧器ステーションのセンサ情報を読み取るioLogikシリーズI/O、インバータなどの電力資産にデータを伝送するための信頼性の高いネットワークを構築する光ファイバを介したTurbo Ring自己修復冗長性テクノロジーをサポートしたMoxaのEDSシリーズ マネージドイーサネットスイッチが含まれています。さらに、GPMは、定期的にPV太陽光発電ファーム展開に必要とする追加機能および製品開発に関する情報をMoxaと共有しています。

結果
将来の再生可能エネルギーための光と水の完璧な融合

堅牢なハードウェア、効率的なオペレーション、および最先端の技術ソリューションの組み合わせにより、電力網内の再生可能エネルギー、特にフローティング太陽光発電の割合が増加しています。この光と水の完璧な融合は、土地の使用が難しい、あるいは不可能な場所でクリーンな電力を発電する能力など、多くの利点をもたらすことができます。さらに、「フローティング太陽光発電設備は、フローティング太陽光発電アイランドにより水の蒸発を減らすことができることで、環境上の利点を提供します。このプロセスは、干ばつの影響を受けやすい地域で特に有益です。また、特に水域を貧酸素状態にして魚介類に害を及ぼす藻類ブルームの存在を減らすことにも役立ちます」と、Carreraが指摘しています。

GPMの包括的なソリューションは、プラントの建設業者およびオーナーが、フローティング太陽光発電プラントのインストレーション、使用、およびメンテナンスに関連する技術的な課題に対処することができます。多くのインストレーションを実行する過程で、GPMはソリューションを改善しました。例えば、通信および監視機能は、ソーラーノイズフィルタリングと適切なプロトコルをサポートする適切なコンバータを選択することにより、通信ノイズを最小限に抑えるまで進化しました。

親会社であるDNV GLと提携し、GPMは、フローティング太陽光発電業界の様々な利害関係者とのコラボにより、経験とベストプラクティスを共有することで、インストレーションをさらに改善するためのjoint industry project(JIP)に取り組んでいます。Carreraは、「このJIPから生み出されたベストプラクティスは、フローティング太陽光発電産業を成長させるための優れたイネーブラーになると信じています」と結論付けています。今後、GPMは、個々の発電源の利点を拡大するために『チームワーク』アプローチを使用するハイブリッド/太陽光発電システムなどへの将来の発展を刺激することを期待されています。

関連資料
カタログ:太陽光エネルギーおよび変電所の機能強化
カタログ ダウンロード

Moxaは、業界標準ベースの通信およびコンピューティングソリューションを提供することで分散されたフィールドデバイスを容易に管理し、SCADAシステムとオペレータステーションからのサービスおよびアプリケーションとをシームレスに統合することを可能にします。

■ Moxaのコネクティビティソリューションによる37 + GW 太陽エネルギーの監視

Moxaのデバイスコネクティビティソリューションは、ワールドワイドで37.1ギガワット(GW)の太陽エネルギーを監視します

■ 世界の7,500 +の変電所に導入

7,500以上の変電所送配電ネットワークを世界中に展開しています

■ 業界のリーダーシップ

CIGRE,IEC WG,PAC World, UCAIug IOP on PRP/HSRおよびMMSソリューションなどのフォーラムに貢献しています