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スマートグリッドのデジタルトランスフォーメーションを成功させる鍵となるプロトコルゲートウェイの重要性

  • 2023.12.21
スマートグリッドのデジタルトランスフォーメーションを成功させる鍵となるプロトコルゲートウェイの重要性

近年、送配電網は、二酸化炭素排出実質ゼロを目指す取り組みを推進するデジタルトランスフォーメーションの最新の波に加わり、従来の公益事業ネットワークからスマートグリッドへと進化しています。この新しいエネルギーネットワークモデルは、リアルタイムでデータを収集・分析することによりエネルギーマネージメントを改善することが可能となります。しかし、スマートグリッドのスムーズなオペレーションを実現するのは簡単なことではありません。スマートグリッドは、さまざまなサブシステムで多数の通信プロトコルが使用されるため、効果的なプロトコル変換機能を駆使することができるかどうかがその成功の鍵を握ります。ここでは、スマートグリッドのスムーズなオペレーションを実現するために、複雑なサブシステム間でのタイムリーなデータの収集、分析、通知を可能にする方法を解説します。

スマートグリッドの複雑さ
変電所自動化システム
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スマートグリッドは、従来の発電所や再生可能エネルギー源からデジタル変電所、マイクログリッド (コミュニティでエネルギー供給源と消費施設を設けた地産地消の小規模なエネルギーネットワーク)、エネルギー貯蔵システム、エンドユーザーに至るまで、複数のサブシステムから構成される大規模システムです。これらのサブシステムには、配電制御、電力監視、エネルギー貯蔵マネージメントなどが含まれ、また、独自の特性と要件が存在します。その中で課題となるのは、各サブシステム間で使用される多様な通信プロトコルの存在があります。たとえば、フィーダーラインは一般的にIEC 61850、DNP3、またはIEC 101/104による通信を標準使用します。メーターはModbusに依存し、再生可能エネルギーシステムはCANbusを使用し、バックアップ電源はJ1939を使用していることから、これらすべてのデータを統合すると、複雑な問題を引き起こします。

課題と解決策

このような複雑なシナリオにおいては、効果的にプロトコル変換とデータ統合が実行できることが重要な鍵となります。通常、このためにはPLC (プログラマブルロジックコントローラー) が使用されますが、多くのプログラミングが必要なため、高価で複雑になります。そこで、産業用コンピューターを使用するという選択肢もありますが、さまざまな通信プロトコルを使用するため専門知識が必要となります。また、システムがしばらく稼働した後で発生する各種の問題に対応するために、現場に診断ツールとトラブルシューティングツールをインストールする必要があります。さらに、ネットワークトポロジーが複雑であるため、ユーザーは過酷な環境でのネットワークセキュリティを検討する必要があります。
このようなシチュエーションにおいては、プロトコルゲートウェイが最も効果的なソリューションであることが証明されています。実際に、簡単なコンフィギュレーションでプロトコル変換を容易に実現し、複雑なプログラミングが不要になります。つまり、専門的なプログラミングスキルがなくても、異なるシステム間のデータ統合や通信を簡単に実現できるのです。

リモートトラブルシューティング

スマートグリッドでは、数多くのデバイスがリモートサイトにインストレーションされています。そのため、オンサイトで問題が発生した場合、解決のためにその都度エンジニアを派遣するとなると、時間と費用が発生します。これを解決するには、リモートアクセスとトラブルシューティングが不可欠です。プロトコルゲートウェイは、トラブルシューティングに必要なさまざまな組み込みツールを備えているため、障害診断に必要な時間を大幅に短縮すると同時に、外部デバッグツールのコストも削減することができます。

セキュリティの重要性

プロトコルゲートウェイへのリモートコネクションが可能となると、セキュリティが重要な課題となります。プロトコルゲートウェイは、HTTPSコネクション、厳格なアカウントとパスワードマネージメント、イベントログの記録など、セキュアなコネクション機能を提供します。これらの機能は、ハッカー攻撃の潜在的なリスクを軽減し、システムのセキュリティを確保することができます。

過酷な環境下での信頼性

スマートグリッドで使用する機器は通常、過酷な環境で稼働します。そのため、産業用プロトコルゲートウェイは過酷な環境に耐える堅牢性を考慮して設計されています。これには、システムの全体的な信頼性を保証するための、ワイド温度範囲と電磁干渉に対する耐性が含まれています。

結論
変電所自動化システム
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スマートグリッドの時代において、プロトコルゲートウェイは、異なるシステム間のスムーズなデータフローを促進する極めて重要な役割を担います。電力網を構成するさまざまなサブシステム間で使用される通信プロトコルは無数に存在するため、スマートグリッドを完全に実現するには効果的なプロトコル変換とシームレスなデータ通信が不可欠となります。プロトコルゲートウェイは、シンプルなコンフィギュレーション、リモートトラブルシューティング、システムセキュリティにより、プロトコル変換を容易にします。このテクノロジーの応用は、よりスマートで効率的なエネルギーマネージメントの実現に貢献し、スマートグリッドの開発を推進し、世界中の電力供給方法を変革することができます。

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