標準オペレーション | 温度レンジ |
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EN-50155 T1 Class | -25 ~ 55℃ |
EN-50155 T2 Class | -40 ~ 55℃ |
EN-50155 T3 Class | -25 ~ 70℃ |
EN-50155 T4 Class | -40 ~ 70℃ |
EN50155分類および動作温度レンジ
移動車両に搭載されるコンピュータは、極端にホットまたはコールドの様々な温度状態にさらされます。EN50155規格は、動作温度のための特別な基準を含んでいます。
車両コンピュータは、特定のアプリケーションで必要とされる分類レベルを確認するためにテストされるべきです。現在、-40 ~ 70℃の動作温度範囲は、EN50155 Tx Classで要求される中で最もワイドな規格です。
理想的な組込コンピュータは、ハイコンピューティングパフォーマンス、ワイド動作温度、高いMTBFとスモールフォームファクタを組み合わせたものです。しかし、1つの要求を満たすと他の要求が難しくなるといった、要求のすべてのバランスをとることは至難の業です。例えば、ハイコンピューティングパフォーマンスは、より多くの熱を発生します。更に難しいことは、限られたスペース内での熱の放出が、システムの不安定さと障害に結びつきます。理想的な組込コンピュータの要求すべてを達成するためには、効率的に熱放出させるためのサーマル設計が必要とされます。
多くのIPCプロバイダは、産業用PCを最小部品単位あるいはコンポーネントレベルで設計します。例えば、熱源を冷却するために外部ヒートシンクを取付けます。この部品単位の設計プロセスは、仕様の必要条件を満たすかもしれませんが、全システムの長期にわたる安定性、信頼性および耐久性を確実にすることができません。
産業現場の過酷な環境状況における産業コンピュータは、安定性、信頼性、堅牢性および長期にわたるオペレーションが必要不可欠です。産業アプリケーションのもとで十分堅牢であるために、Moxaの産業コンピュータの全ては、極端な環境状況下で使用できるよう、優れた幅広いシステムレベルで設計されています。この展開は、設計プロセスをますます複雑化させ、時間を費やしますが、システムの安定性を保証することができる包括的なシステムワイドソリューションを形成できます。
Moxaのコンピュータは、堅牢でない他のマシンを脅かす、ワイドな動作温度範囲、振動、衝撃、電源障害、静電放電、電磁波干渉など、各種の課題を克服しました。
従来の外部に取付けるヒートシンクは、それなりの熱放出効果があります。しかし、更なる強力な熱放出を達成するために、Moxaの熱設計技術は、熱モジュールのセンタにあるPCB高温熱放出エリアを最大にするための、熱放出の効率化と大きな熱放出ゾーンを最適化するコントロールをします。ヒートシンク設計は、ホットスポットと温度持久性を考慮に入れなければなりません。重要な設計要因は、ヒートシンクのフィンの高さ、フィンのギャップ、フィンの厚さを含み、これらのパラメータのすべてを熱放出の最適化およびシステム効率を最大にするために、バランスを保持しなければなりません。
ヒートパイプ技術は、特に主となる発熱源であるCPUおよびチップセットを含むボードベース製品に適しています。その理由は、サーマルパッドおよび熱アブソルバーがこれらのコンポーネント上に直接取り付けができるためです。一本以上の銅製ヒートパイプは、熱放出が容易な場所(例えばコンピュータの正面上のプレート)へ熱を伝導することが可能です。熱を吸収するために、これらの空洞のヒートパイプは流体(例えば水)を含む芯に沿って並びます。更に、ヒートパイプはサーマルサイクルに加わり、コンピュータの一方から他方へ熱を伝導します。科学原理(毛細管現象および相変化原理)に従い、Moxaはヒートパイプの特定の物理的特性を考慮に入れた、革新的なソリューションを提案しました。この新技術は、より効率的に熱を伝導します。
熱パイプ内のヒートサイクルの働き
高温度で変わりやすい環境において、システムの多くのコンポーネントが0℃以下の低温で動作ができないために、ダウンしてしまうケースが発生します。しかし、Moxaの自動温度ゲインコントロールシステム(ATGCS)技術により、コンピュータの内部の温度をコントロールすることが可能です。
この新技術は、外部温度の変化に順応するように、自動的にコンピュータ内部の温度を調整します。例えば、温度が-40℃といった、ある一定ポイントより低下した場合、変化のできる電力システムにより極端に低い温度環境であっても、一定水準を上回る内部温度を保持します。
産業用コンピュータの熱設計に関する詳細は、下記のWhite Paperをご覧ください。