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製品・技術情報

初歩のZigBee

  • 2010.05.13

第3章 : 他のワイヤレス通信規格との違い

通信距離が100m以内のワイヤレスPANに含まれる規格とワイヤレスLANについて以下に比較を行います。

規格 ZigBee
802.15.4
Bluetooth
802.15.1a
UWB
(Ultra Wide Band)
ワイヤレスLAN
802.11a/b/g/n
周波数(GHz) 0.8、0.9、2.4 2.402 ~ 2.480 3.1 ~ 10.6 2.4、5
伝送速度(bps) 最大250k 1M、3M、24M 最大480M 11M、54M、
300M(本来600M可)
通信距離(m) 10 ~ 70 10 ~ 100 10 100
業界団体 ZigBee Alliance Bluetooth SIG WiMedia Alliance WiFi Alliance
アプリケーション センサーネットワーク モバイル機器、
携帯電話、
パソコン
ワイヤレスUSB、
次世代Bluetooth、
映像伝送
構内用のワイヤレスLAN
消費電力 60mW

他の例
電圧 : 1.8 ~ 3.6V
受信 : 18mA
送信 : 19mA
Standby : 1.1μA
μPD78F8058
120mW

他の例
電圧 : 5V
受信 : 50mA
送信 : 65mA
デバイスとして
200mWの例
1,000mW

他の例
CFカードとして
電圧 : 3.3V
送信 : 300 ~500mA
受信 : 220 ~ 280mAの例あり
備考 2012年7月:日本では
950MHz帯から920MHz帯に移行
2014年11月:統一規格としてZigBee3.0登場
2014年12月:
Bluetooth 4.2 採択
--- 2009年9月:802.11n承認
2014年1月:802.11ac承認
3-1) ZigBee
ZigBee

ZigBeeの概要は既に説明しましたが、消費電力が最も小さく(上記表では、送信時で35mW程度)、伝送速度も最も遅いものです。ただし、目的が家電用でセンサや制御に使用するために条件は満たしていることになります。

3-2) Bluetooth
Bluetooth

Bluetoothは元々、個人の機器を近距離で接続する目的で開発されました。例えばパソコンに色々な外部装置を接続しますと、それぞれに配線が必要になり、それだけで非常に複雑になりますが、これらのケーブルの替わりにそれぞれをBluetoothで接続すると、ケーブルがありませんのでスッキリできます。多数のプロファイルが定義されており、それぞれのプロファイルがケーブルの替わりに扱われます。例えば、SPP(シリアル接続)、DUN(携帯電話やPHSを介してのダイヤルアップ接続)、FTP(ファイル転送)、HID(マウスやキーボード接続)、BPP(プリンター接続)、FAX、ヘッドセット接続、ハンズフリー通話、ステレオ音楽、静止画の転送、小規模のネットワークの構築等、非常に多くの種類の接続が可能です。ただし最大の同時接続は、7台に限定されます。

3-3) UWB(Ultra Wide Band : 超広帯域)
WiMedia

UWBは、名称が示す様に他の方式と比べて極端に幅の広い占有帯域(数GHzレベル)を利用する通信方式です。これは低消費電力で高速通信を目指して開発されましたが、通信距離が10mを越えますと途端にスピードが遅くなります。従ってワイヤレスLANの替わりに使用するには難点があります。用途は、USBをワイヤレス化する、Bluetoothを高速にする、近距離で映像を送る等があります。USBは本来ケーブルを利用する仕様で、最大通信距離は5mとなっておりますので、UWBを使用すればそのまま置き換えが可能でケーブルが不要になります。また、利用周波数が、マイクロ波帯のためにレーダーとしての用途も考えられています。

3-4) ワイヤレスLAN(Local Area Network : 構内ネットワーク)
WiFi WiFi

ワイヤレスLAN(Wi-Fi)は、企業内や家庭内で基幹のネットワークとして使用されているLAN(構内ネットワーク)のワイヤレス版ですので、用途はLANに似ています。主にケーブル配線が難しい場所、配線経費の削減、移動する端末を接続するために使用されます。伝送速度はこれまで最大で54Mbpsでしたが、議論に大分時間がかかった末、2009年に最大600Mbpsの規格がまとまりました。ただし、現実には電波法の関係があり、現状300Mbpsが最大となります。

以下に参考として、2種類の電波の分布を示し、電波が目で見える形にしています。

上図はワイヤレスLAN(2.4GHz)の電波の分布です。横軸にはチャネルの表示があり、縦軸は電波のレベルを示しております。電波の分布の高い部分は赤等の明るい色で、分布の低い部分は濃い青色で暗くなっていきます。6チャネルが最も信号が強く見えますが、この場合の伝送速度は11Mbpsです。ただしこの図では、一つのチャネルだけでなく、多くの電波が存在しています。雑音が含まれていることも考えられます。
(この図は、IBSジャパンが販売している"Wi-Spy"スペクトラムアナライザで測定したものです)

次に、上の図は、同様に2.4GHz帯の電波ですが、この場合には電波の強い部分の幅が広くなっています。この場合の最大伝送速度は300Mbpsです。
この二つの図の違いは、電波の幅と電波の密度です。この様な差で伝送速度が大きく違っています。